朝日新聞社提供
(1)衆院選投票日(12月14日)と同日に、最高裁判所裁判官国民審査があります。
査対象の5裁判官のうち、先月26日の最高裁判決によれば、一人一票に賛成の裁判官(無印)と、一人一票に反対の裁判官(×印)の一覧表は、下記のとおりです。
(2)衆院選挙では、2倍の1票の格差(住所による一票の価値の差別)があります。
たとえば、295個の小選挙区の中、最大人口の小選挙区は、北海道1区(48万7678人)*です。
*総務省発表資料(2013年9月2日現在衆議院小選挙区別選挙人名簿及び在外選挙人名簿登録者数)に基づく。
すなわち、最大選挙区(北海道1区)と最小選挙区(宮城5区)の人口較差は、2倍(2≒487,678人÷233,362人)です。
換言すれば、北海道1区の有権者の1票の価値は、宮城5区の有権者の選挙権を1票とすると、0.5票(0.5≒233,362人÷487,678人)しかないことになります。北海道1区の有権者の国政に対する発言力は、清き0.5票分しかないのです。
北海道1区の有権者も、宮城5区の有権者も、同じ基準で、税金を支払っています。従って、この清き0.5票という、住所差別は、不当です。
(3)先月26日の最高裁判決で、鬼丸かおる裁判官、山本庸幸裁判官の2名は、「憲法は、人口比例選挙(=一人一票)を保障している」と言いました。この2裁判官は、一人一票に賛成です。
しかし、木内道祥裁判官、池上政幸裁判官、山﨑敏充裁判官は、「憲法は、人口比例選挙を保障している」と言いませんでした。この3裁判官は、一人一票に反対です。
木内裁判官は、反対意見で、違憲と述べられました。しかし、木内裁判官は、鬼丸裁判官又は山本裁判官のように、「『人口比例選挙の保障』あるいは『一人一票の保障』が憲法の要請である」旨の原則を明言していません。
最高裁判決(多数意見)が、「一人一票の原則」を判決文で明言しない限り、国会は、国会の裁量権として、「非」人口比例による選挙区割りを続けることが可能になってしまいます。
国会が「非」人口比例による選挙区割りを続けることを可能にする判決文は、一人一票の立法を妨げることになります。
従って、一人一票実現のためには、一人一票の立法を妨げる裁判官を支持することはできません。
(4)今回の国民審査で、国民は、憲法79条の定める国民の権利として、一人一票反対派の3裁判官(木内氏、池上氏、山﨑氏の3名)に×印の投票をして、投票数の過半数(2700万票・予測)で、一人一票反対派裁判官を罷免できます。
(5)投票価値の不平等は、全国の選挙区に亘ります。以下の全国「1票の住所差別地図」をご参照下さい。
一人一票実現国民会議のウェブサイトから、住所を選択するだけで、自分の1票の価値が0.何票分なのかを検索することができます。