ポリタス

  • 視点

白紙票、やめました。

  • 八谷和彦 (メディアアーティスト)
  • 2014年2月4日

感想ツイートしたら原稿依頼された(°д°;;) の巻。

僕も、今の皆さんと同じように、この「『メディアの現場』東京都知事選2014特別号外」を読んでたわけです。自分と多少意見が違っていても、やはり真摯に書かれている記事は面白いな〜とか思って。で、多分この上のほうにもあると思いますが、津田さんが

さて、お決まりのフレーズを。みなさん配信された原稿を読んだら、ぜひ感想をツイートしてくださいね。感想ツイートは僕がもれなくリツイートしますので。ぜひ皆さんの力でツイッター上の議論を活発化させ、都知事選そのものを盛り上げていきましょう!

とか、さらっと書いているわけですが、これを信じてうっかりこんなツイートしたわけです↓

八谷和彦 @hachiya 津田マガ特別号外を読んだら、昼間バトルしてた二人が同じ号に載ってて震撼した。同時に津田さん @tsuda の「敵を作らない能力」はなにかスタンド的な超能力なのではないかと感じ始めた。

(注:第4号の清水亮さんと堀江貴文さんのこと)

そしたらこれが即座にRTされて、返す刀で↓

DM 津田大介 @tsuda おつかれさまです! もし良かったら八谷さんも都知事選で何かポリタスに書きませんか?

とかDMが来るわけですよ。 感想ツイートしたら原稿を書くことになるなんて、ポリタス、恐ろしい子。 そして、その前のこのツイートは華麗にスルーしたくせに……↓

八谷 @hachiya 連載陣にこんだけ多様ですごい人いるのだから、この人達皆ブレーンにしますって公約にして、津田さんが都知事選に出ればよかったのに、とか号外読むたびに思う。敵を作らないそのスタンド能力も相まっていい線行くと思うのだが。 @tsuda

皆さん、思いません? なんで津田大介は都知事選出ないの? とか。これだけの上下左右に幅の広い人達が味方の人なんて、そういませんよ。今回の掲載陣の意見を柔軟に反映するような調整力(と常識)のある都知事が誕生したら。そもそも、都民皆がこんなに困る事態になってないはず。

候補者は「カレー味のうんこと、うんこ味のカレー」 by 赤木智弘(第3号)

都民の困惑は、第3号に掲載されていた赤木智弘さんが、的確に表現されています。

今回の選挙は汚い言葉で申し訳ないが「カレー味のうんこと、うんこ味のカレー。食べるならどっち」レベルの候補者ばかりである。もちろん、注目されていない候補の中には、もう少しまともな人もいるのかもしれないが、少なくとも現時点で有力とされている4人の候補者については、このように判断するしかない。

ですよね〜。

都民としての僕自身の選択基準は単純です。東京都に必要なことを粛々とやってくれればいいし、余計なことしなくていい(そもそも石原都知事が余計なことやりすぎる都知事だったんで、それさえなきゃいい!)。あと、人の意見聞く柔軟な人だったらもっといい。 そんな自分の基準をちょっとまとめてみます。

( 1 )まず、原発を第一の争点としている人は外します

僕自身は老朽化した原発から段階的に縮小するのが望ましいと思ってますが(例えば稼働後40年経っている原発から順次廃炉とか)日本各地の原発の再稼働についてはその時の状況(気象や各地域の電気需要の逼迫状況とか)で柔軟に判断されるべきと思っていますし、そもそも各地の再稼働に都知事が首突っ込んだりすること自体に違和感あります。それはやっぱり各地の自治体そして国政が決めるべきことで、消費地の東京都にできることがあるとしたら、まず発電所の立地県に感謝すること、都内のエネルギー利用の効率化や、小型コンバインドガスタービン発電所の都内・都下への設立(猪瀬さんがやりかけて中止になったけど都がやれることとして悪くないと思う)程度なんだと思います(これで宇都宮さんと細川さん除外)。

( 2 )言うことがころころ変わりそうな人は外します

つまり、小泉さんと細川さんなんですけど。この人は根っからの政治家で、現時点での脱原発方針に関しては「それが票になるから」の判断で言っているんだとしか思えないわけです。あと小泉さんのやり方も好きじゃない。「脱原発か推進派か?」みたいな皆を真っ二つに分断して判断迫るやり方は百害あって一理なしと思っているし、彼が首相時代にブッシュの始めたイラク戦争に秒速で賛意をしめしたことに唖然とした記憶があるので、僕はこの人は実は一番危険だと思っているんですね(人気があるだけに余計)。ということで細川さんはさらに除外。

( 3 )中国や韓国に対してトラブルの種になるような発言しそうな人は外したい

オリンピックもあることですし、余分な舌禍事件起こすようなトラブルメーカーがなんと都知事、みたいな事は避けたいわけです。都が尖閣諸島買うとか、そういうことはブラフにしても、もうかんべんして欲しいわけで。余計なことをやってほしくないんですよ、新都知事には(これで田母神さんは除外)。

正直、ここ数年は、多くの人が石原都知事にうんざりしていたんです。それが猪瀬さんになって、まあ、おおむね大丈夫かな、とほっと一息ついたらこの顛末で。

次の人は「極論持ち出さない」「余計なことしない」で充分。あまり極端に変えなくていい。ただ、首都直下地震に対する防災対策と待機児童解消とか、パラリンピックにそなえて粛々とバリアフリー化をすすめる、とか地道なことをちゃんとしてくれればいい。

……と思っていたら、あれ?俺、結果的に舛添要一さんに入れることになるの? え? でも消去法で考えるとそうなるよね……。

うーん。ますぞえ、と書くのか、オレ。普通に考えると舛添さんになるけど(だからこそこの時点での最有力候補なんだろうけど)。なんだろう、この胸騒ぎ。なんか後で後悔しそうな、いやな予感がするんだけど。そんなことない?

しょうがない、ますぞえか、白紙票出すか……とか悶々としてたわけですね。

残念だった都知事選に咲いた家入さんという一輪の花 by クロサカタツヤ(第2号)

ここでふと第2号のクロサカタツヤさんのタイトルと原稿を思い出します。

家入さんが出てきてくれて、ようやくそんな話が、都知事選に絡めて、できるようになりました。これは私たちにとって福音です。逆に言えば、家入さんが出馬する前の都知事選が、どれだけ味気ない代物だったのか。これはあらゆる意味で、嘆くべきことです。

じゃあお前は家入さんに投票するの? いえ、しません。

あ、家入一真さん、あるかも。俺的にはありだわ、この人。

クロサカさんご自身は、家入さんには入れない、と書いてました。うん、僕もその気持ちわかります。スタディギフトの件もまだ記憶にあるし、家入さんって「あまり準備せずに見切り発車して、案の定途中でトラブル発生」ってイメージあるもんね。あと飽きっぽそう、とか。経営者としてどうなのそれ、って僕も思ったことあります。

でも、家入さんの良いところは、これ継続してやるの自分に無理、とわかったら若い有能な人にちゃんとパスできて、そしてそういうちゃんとした若者が彼の周りに集まるような人でもあることです。

彼の作ったサービスやカフェや店舗は、そうして今も別の「ちゃんとした若者」が経営してて、きちんと雇用生んでる、ってことは素晴らしいと思う。そしてそういうベンチャー立ち上げたり中小企業を経営した経験のある都知事って、ここしばらくいなかったし。

あと、彼自身が政治家によくいる自信満々、というタイプじゃなくて、自己分析が「ひきこもりだったし基本はダメなオレ」ってのも悪くないと思う。普通に考えたら全く政治家に向いてない気もするけど、「わかんないことはみんなに聞いてみる」って姿は、新しいタイプのリーダーとして面白いかもしれない。

あと、なにより若い。若いんですよ。家入さんは! 他の有力候補みると、なんなの、みんな60〜70代って。普通の企業だったら定年してておかしくない歳だよ。もういいや、俺、家入さんで。若いってだけで充分価値がある。

当選したらどうすんの?

そんなこと言ってて、この人が都知事で大丈夫なの? って思いますよね。いや、そこ心配しなくても、一位舛添、二位細川、は多分動かないです。でも僕は今回はあえて家入さんを推したい。彼がそれなりの票数とって、三位になるような事があれば、今後面白いことが起きると思うんですよ。きっと。家入さんには「3040代の候補者に若い人が共感して投票し、そして若い候補者が充分戦える」ってことを示して欲しい。それができたら今年のこれは死に票じゃない。全然。

そしたら、次の選挙でこんなことがおきると予想。

———(各四天王にはあなたの好きな人でどうぞ)———————

○○○○「家入が落選したようだな…」

△△△△「ククク、ヤツは我ら四天王の中でも最弱…」

▲▲▲▲「76歳の細川ごとき超えられんとはアルファツイッタラーの面汚しよ!」 

?? 「ふっふっ、ようやく俺の出番のようだな」

一同 「生きていたのか! 津田大介」

著者プロフィール

八谷和彦
はちや・かずひこ

メディアアーティスト

1966年4月18日(発明の日)生まれの発明系アーティスト。九州芸術工科大学(現九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業。コンサルティング会社勤務後、(株)PetWORKsを設立。現在にいたる。作品に《視聴覚交換マシン》や《ポストペット》などのコミュニケーションツールや、ジェットエンジン付きスケートボード《エアボード》、メーヴェの実機を作ってみるプロジェクト《オープンスカイ》などがあり、作品は機能をもった装置であることが多い。書籍『ナウシカの飛行具、作ってみた』が幻冬舎より発売中(その書籍イベントに津田さんに協力してもらった関係で、この原稿を書くはめに)。 http://peatix.com/event/19980/

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