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  • 論点

五輪に向けて世界に恥ずかしくない東京へ

  • 清水亮 (株式会社ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEO)
  • 2014年1月27日

私は猪瀬さんが下ろされてしまったのは大変残念だったと考えています。

進歩的な方で、ネットにも理解の厚い人で、そもそも今回の五輪招致を石原元都知事とともに副知事、そして知事として成功させた功績は誰にも負けないものです。

しかし同時に、猪瀬前知事は、政治家として未熟すぎたのではないかとも思っています。それが結果的に、今回のような問題を起こし、責任をとって辞任する形になってしまいました。

五輪に向けて、その最大の功労者の一人が、このような形で退陣することは非常に大きな損失であり、世界から見ても都政が不安定に写るでしょう。

そうなると、世界に向けてきちんとした政治家がこの都市をまとめて行く必要があると思います。

その意味で、私が敢えて立場を表明するとしたら、舛添要一候補に期待したいと考えています。

国会議員経験者であり、政治の世界の常識に長けていることはもちろん、総理経験者の細川候補と比べても、掲げている政策にやはり王道の安定感を感じます。

個別の政策について、残念ながら完全に賛成できる候補は今回一人も居ません。その中で敢えて候補者の中から選ぶとしたら、やはり五輪を成功させ、東京の経済を盛り返すために、今回は舛添候補に期待したいです。

一方、ネットの一部の界隈では堀江氏の後援を受けた家入候補が話題になっていますが、家入候補が過去に行って来た事業やその後の失敗の責任をとらず開き直る態度など、問題の多い方でもあります。ここ数年の事業については特に無計画で、投票を考えている方は一度きちんとGoogleなどで検索し、よく考えてから検討することをお勧めします。家入氏の掲げる志そのものは立派であると思いますが、実行力と責任感の面で期待できない印象が強いです。

もしかすると将来的には人格的な成長が期待できるかもしれませんが、現時点では同じ業界の人間として反対の立場を明確にしておきたいと思います。我々の業界がああしたタイプの人間ばかりだと思われたら困ります。並みいる高齢の候補者の中で若さは確かに魅力的ですが、都政を託すにはまだ時期尚早すぎます。

堀江氏自身が候補ならばまた考えも多少は違いますが、現時点では家入氏の後見人となることで堀江氏は自らの評判を却って下げてしまっているのではないかという印象です。

著者プロフィール

清水亮
しみず・りょう

株式会社ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEO

電気通信大学在学中に米Microsoft Corpで次世代OS開発に携わり、98年株式会 社ドワンゴにエグゼクティブ・ゲーム・ディレクターとして入社。同社コンテ ンツ事業を立ち上げる。03年より独立し、現職。04年、独立行政法人情報処理 推進機構(IPA)より天才プログラマーの称号を得る。05年東京大学大学院情報 学環でコンテンツ創造科学産学連携教育プログラムを履修、08年-10年まで九州 大学大学院にて非常勤講師として次世代IT人材の育成に関わる。Twitter: @shi3z_bot @shi3z

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