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東京都知事選挙2014立候補者の公約を読む

  • ポリタス編集部
  • 2014年1月29日

東京都知事選2014に立候補した全16人の候補者のウェブで読める公約のリンクをまとめてみました。

選挙公報

http://www.h26tochijisen.metro.tokyo.jp/pdf/publication_election.pdf

選挙の各候補の政策提言や公約を確認するためには選挙区で配布される選挙広報を読むことが一番基本的な方法です。ネット選挙が解禁される前は公示後に作成される選挙公報をインターネットで読むことはできませんでしたが、今回の都知事選では東京都選管のウェブサイトでPDFファイルが既に公開されており、東京都外でも読むことができます。これもネット選挙解禁の恩恵の一つと言えますね。

候補者ウェブサイト掲載の公約集

選挙公報以外にもウェブサイト上で自身の政策を公開している候補者もいます。下記にそのようなウェブサイトをまとめてみました。

■ひめじけんじ

  • ウェブサイト:なし
  • 政策解説サイト:なし

■宇都宮けんじ

宇都宮候補は「5つの基本政策」に加え2つの「特別政策」を掲げています。1月28日時点でも都政に関して幅広い分野で公約をかかげ、ウェブサイト上で考えを示していますが、これでもまだ要約版とのこと。近日中には「総合政策集」を公開すると予告されており、ウェブ上で読める公約の網羅度・説明量は今回の立候補者の中でトップクラス。しかし詰まったレイアウトで文字が並んでいるので、可読性が低いのが難点。また見出しやアイコンの色が薄い青で、弱視の方にとっては読みづらいかもしれません。(2月7日追記:見出しやアイコンの色が濃い青に修正されていました)

■ドクター・中松

中松候補は都税減税を中心とした経済政策と防災対策、そして老人世代を重視した社会保障政策を掲げています。どどーんと文字が飛び込んでくる公約説明でインパクトは抜群。ただしコンテンツは文字を含め全て画像で実現されており、点字ブラウザや読み上げ機能を使っている人は読むことができないのが残念。

■田母神としお

田母神候補は「東京を守る!」「東京を育てる!」「東京を創る!」の3つのスローガンを軸に公約を構成しています。「東京を守る!」の中では「東京MXTVで、北朝鮮に拉致された日本人救出を訴える東京都スポンサーの『拉致問題アワー』番組製作をします」という田母神候補らしいユニークな公約も。エネルギー政策について触れていないのは主要候補とされる4人の中で田母神候補のみ。ウェブを仕事にしている方からは「お願いだから地の文は

タグで囲ってよ……」という声が聞こえてきそうな公約サイトです。

■鈴木たつお

鈴木候補は「戦争させない」「被曝させない」「貧困・過労死ゆるさない」「だからオリンピックはやらない」「弾圧と闘う」の5つのスローガンを軸に公約を構成しています。ほとんどの公約が「〜ない」で終わっているのが特徴。都政に直接関わりそうな公約としてはオリンピックの中止と都営交通の24時間化反対があります。

■中川智晴

中川候補の公約「トップガン政治 from Nakagawa」は9つのミッション「どんぶり勘定政策」「東京リゾート計画」「都市再生法案」「東京都学童再生顧問」「東京都ファンタジープラン」「酔拳議会」「僕らはかわいそうじゃない 普通なんだ」「清水の次郎長政策」「スマッシュ政策」から構成されています。中川候補が都知事に就任した際にニューヨークのホテルから秘書に送るFAXという体で書かれており、物語を読んでいるかのよう。背景イメージと文字色の組み合わせにもう少し配慮がほしいところです。

■ますぞえ要一

政策通として知られる舛添候補らしく都政における幅広い分野の公約を掲げ、「史上最高のオリンピック・パラリンピックで東京の魅力を世界へ発信」「大災害にも打ち勝つ都市」「安心、希望、安定の社会保障」「中小企業の育成で世界をリードする産業・人材都市」「世界に通用する人材の育成と骨太の教育改革」の5つのスローガンによって構成されています。国際政治学者らしく都市外交に重点を置いて触れているのも舛添候補の特徴です。「優秀だった日本の子どもの学力低下は、『ゆとり教育』に原因があります」と書かれてしまった、いわゆるゆとり世代の有権者はこの公約をどんな気持ちで読むのでしょうか。

■細川護煕

今流行のパララックス効果を用いたウェブデザインの政策ページ。「オリンピックまでに東京を変える」と題し、「原発ゼロが新しい成長に点火する」「2020年オリンピック・パラリンピック 東京・東北」「『防災都市・景観都市・東京』に水と緑の力をいかす」「都市基盤の整備をすすめ、美しく機能的な首都へ」「子どもと高齢者にやさしい『先見的都市モデル』を」の5つのスローガンによって公約を構成しています。具体的な産業政策への言及がないあたりに「脱成長」を感じさせます。会見資料などをPDFでダウンロードできるようになっているのは細川候補だけです。

■マック赤坂

「教育革命!!」「うつ病革命!!」「接客革命!!」「恋愛革命!!」「税制革命!!」「選挙革命!!」「議員・公務員革命!!」「幸福革命!!」という8つの革命からなるマック赤坂氏の公約。国政・地方自治体に関わらずあらゆる選挙でほぼ同様の公約を掲げて選挙戦を戦っているせいか、オリンピックやエネルギー問題など、今回の都知事選でホットイシューとされているものに対する見解は述べられていません。全ては政見放送で明かされるということでしょうか?

■家入かずま

公約という形ではなく、有権者への「福祉政策」「都市計画・成長戦略」「行政改革」「防災・危機管理計画」「2020年計画」という5つの問いを投げかける家入候補。ツイッターやフェイスブックを用いて有権者の声を集め、みんなで政策を考えようというスタンス。これらの声を集計して選挙期間中に何かの動きがあるのか注目したいところです。問いかけの重要な部分が文字が画像として掲載されており、点字ブラウザや読み上げ機能を使ってアクセスしている人たちが排除されてしまう形になっているのが残念。

■ないとうひさお

  • ウェブサイト:なし
  • 政策解説サイト:なし

■金子博

「 東京都を『天国の首都』にする」「東アジア平和サミットを東京で開催」「『原子力発電』は廃止し、地熱でエネルギー革命」「安心して子育てができる『少子・高齢化対策』の充実」「大災害に耐える『強靭な東京の構築』」の5つの公約を掲げる金子候補。天国、天国と繰り返し言われると「まだ死にたくない!」と感じる若年層の有権者も多いのでは? 文章を読んでいるとデジャブを感じてしまうのは、同じ文章が2回コピペされていることが理由です。

■五十嵐政一

■酒向英一

  • ウェブサイト:なし
  • 政策解説サイト:なし

■松山親憲

  • ウェブサイト:なし
  • 政策解説サイト:なし

■根上隆

政策を比較する

ここまで全16候補のウェブサイトを通して各候補の政策・公約を見てきましたが、手っ取り早く一覧で政策の差異を見たいという方には、早稲田大学マニフェスト研究所の「東京都知事選挙マニフェストできばえ比較表」「東京都知事選挙マニフェスト実現可能性の比較表」がオススメです。ただし取り上げられているのは宇都宮、田母神、細川、舛添の4候補だけです。

早稲田大学マニフェスト研究所

また毎日新聞のボートマッチもオープンしています。

2014東京都知事選 毎日新聞ボートマッチ「えらぼーと」

そしてポリタスのコラム、そしてまもなく動き出す立候補者の発言データベースもあなたの投票先を決める道標になることまちがいなしです。どうかお楽しみに!

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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