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課題山積みの都政の現状を「財政」から知る

  • ポリタス編集部
  • 2014年2月9日

都知事選は舛添要一候補に当選確実が出て、いよいよこれからは新しい都政が始まることになります。しかし、誰が都知事になっても東京都には課題が山積み。そこでポリタスでは、今後の都政を考えるための各種データなどへのリンク集を作ってみました。東京は「国家に匹敵する」とも呼ばれる巨大行政機構なので大量の資料があり、目を通すだけでも大変ですが、分かりやすい物を厳選しましたのでこの機会にぜひ皆様目を通してみてください。

まずは、すべての政策の礎となる東京都の財政について。

1 そもそも、都の財政ってどうなってるの?

<ポイント>

  • 一般会計は約6兆2640億円
  • 特別会計は約4兆0265億円
  • 公営企業会計は1兆7933億円
  • 近年、一般歳出の額は抑制傾向である

2 「特別会計」「公営企業会計」って、具体的に何やってるの?

<ポイント>

  • 一般会計とは別枠で、事業ごとに計上する「特別会計」は、15会計
  • 公営の病院や交通機関、水道など都が監理する企業の「公営企業会計」は11会計
  • 「一般会計」「特別会計」「公営企業会計」を合計した約12兆0838億円が、「都の財政規模」と呼ばれる

3 財政規模12兆円って、どのぐらいの額?

 <ポイント>

  • 大雑把に1ドル=100円で計算すると、東京都の財政規模は1200億ドル。 表記としては「120 billion」となる。
  • 2012年のデータに基づくと、アルゼンチンの国家予算とほぼ同額にあたる模様。

4 東京都の予算は、どのように使われているの?

<ポイント>

  • 最も多いのは「福祉保健費」で約9783億円。一般会計における歳出全体の15.6%。
  • 「スポーツ振興費」が前年度比29.1%と大きく増加

5 東京都の歳入の内訳は?

<ポイント>

  • 静岡県では歳入の約3割を占める「地方交付税」が、東京都はゼロ。  東京は、国からの交付金を、47都道府県の中で唯一受けとっていない自治体。
  • 歳入のうち7割弱、およそ4兆2804億円が都税による収入。
  • 都税のうち約3割、およそ1兆4121億円が法人二税によるもの。

これまでの資料からも分かるように、東京都は、数多くの企業が本社を置く街という特性を生かし、潤沢な法人税などに支えられ、国からの交付金無しで巨大な財政規模を誇っているようです。 裏を返せば、不況で企業の収益が悪化したり、様々な観点(たとえば防災上のリスクや利便性など)によって企業が国外も含む他の街に移転すると歳入が危うくなります。実際、平成19年度に5兆5000億円だった税収は、平成25年度には4兆2800億円と、実に1兆2000億円以上の減収となっています。

今後、高齢化などにともない、歳出のうち最も大きな割合を占める保健福祉費も増大し続ける事が予想される中、法人税や住民税を確保するためにも「災害への強さ」「国際競争力のある街づくり」「産業力育成と新たな成長軌道」「少子高齢化都市のモデルづくり」などを中心に、企業や住民にとって魅力ある東京を作る事が求められています。

そこで策定された、「2020年の東京へのアクションプログラム」がこちら。 http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/tokyo_of_2020/action_program/booklet_of_ap2013/

6 「2020年の東京」へのアクションプログラムって何?

<ポイント>

  • 長期目標に基づいて、平成25年度だけでも7832億円が投入されている。
  • 「災害に強い街」を作るための投資として、震災対策に3065億円が計上されている
  • 地下鉄改革、羽田空港国際化、環状道路の整備など、交通ネットワークの整備にも1826億円。

・・・と、駆け足で東京の財政を見てきましたが、つまるところ、以下の点に集約されるのではないでしょうか。

  • 東京の財政規模は大きいが、今後不安も  
  • 不安材料は「税収増やさないとヤバイ」「福祉保健費や防災など歳出増えてヤバイ」
  • 魅力ある街づくりで人や企業を集め税収を増やす一方、歳出面で何に集中的に予算を割くか検討する必要あり

舛添都知事がどのような都政を志向するのか注目ですね。

参考

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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