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宇都宮けんじ候補 街頭演説第一声 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2014年1月30日
photo: [【東京都知事選2014】宇都宮けんじ氏 街頭演説第一声 生中継 - 2014/01/23 10:30開始 - ニコニコ生放送](http://live.nicovideo.jp/watch/lv166169189)

1月23日に新宿アルタ前で行われた街頭演説第一声の書き起こしです。

ニコ生:http://live.nicovideo.jp/watch/lv166169189

—– 皆さん、おはようございます。東京都知事候補の宇都宮けんじです。1年前の選挙に続いて、2度目の挑戦になります。今度こそは勝利をおさめて、東京都を変えていきたいと、そういうふうに考えております。私は40年以上にわたって、弁護士としてさまざまな社会問題に取り組んできた弁護士です。サラ金、クレジット、総合ローン、ヤミ金業者と戦いまして、借金を抱えている多重債務者の救済活動を行ってまいりました。そして、2006年にはサラ金の高利を大幅に引き下げる、グレーゾーン金利を撤廃させる貸金業法を成立させました。今から19年前、地下鉄にサリンがまかれました。地下鉄サリン事件です。この事件で13人の方が尊い命を亡くされ、6千人を超える方が負傷しております。私は地下鉄サリン事件の被害者の救済のために、地下鉄サリン事件被害対策弁護団を立ち上げ、私が団長に就任しました。そしてオウム真理教と戦い、オウム真理教の破産申し立てを行って、被害者を救済するとともに、オウム被害救済法を2008年に成立させて被害者の救済を行いました。

さらに、2008年にはリーマンショックのあと、多くの派遣労働者が派遣切りにあって会社を解雇されました。派遣労働者の中には職を失うだけではなくて、住まい、寮や社宅を追い出されて、住まいを失ってしまい、野宿を余儀なくされる方が大量に発生しました。私は労働組合の皆さん方と一緒になって、この野宿を余儀なくされた派遣労働者を支援するために、年越し派遣村の取り組みを行いました。名誉村長としてこの活動に参加したわけです。

そして、2010年4月から2012年の5月までは日本弁護士連合会の会長として、全国の弁護士、弁護士会の皆さんと一緒になって2011年3月11日に発生した東日本大震災、これにともなう原発事故の被災者、被害者の支援活動に取り組むとともに、多くの法律、制度を発足させました。私はこのような40年以上にわたる弁護士の経験を活かして、東京都を若者もお年寄りも、男性も女性も、障害のある方も障害のない人も、みんなが暮らしやすい、そして世界一働きやすい、暮らしやすい、希望の街東京を作るために、東京都知事選挙に2度目の挑戦をすることを決意した次第であります。

これから私たちが掲げる基本政策と特別政策を発表させていただきます。残念ながら今回の都知事選、さまざまな候補が立候補されておりますけど、この政策をめぐる公開討論会は1回も行われておりません。私は公開討論会を行って、政策を都民に示して、都民の選択にゆだねるのが都知事選挙のあり方ではないか。それを強く訴えてまいりましたけど、残念ながら今回の選挙は、1回も討論会が行われないまま都知事選に突入する。こういう異常な選挙となっております。しかしながら、私は直接都民の皆さんに私の政策、それを訴えて、支持を広げていきたい。こういう活動を17日間にわたって、しっかりとやっていきたいと考えております。

5つの基本政策と2つの特別政策を立ち上げて、掲げております。1つは、東京を世界一働きやすく、暮らしやすい、みんなが希望の持てる街にしていくことであります。石原都政、猪瀬都政、14年の間に福祉は大幅に切り捨てられております。大型開発には予算は使うけど、福祉はどんどん切り捨てていっている。1人あたりの高齢者の老人福祉予算。石原さんが知事になった時は、全国の都道府県で2番目に高い福祉予算、福祉を行ってまいりました。それがどんどん削られて、現在は47都道府県でも最下位近くになっております。1人あたりの老人福祉予算も23%削減されてきております。ところが、他の46都道府県ではすべて老人福祉予算が増えてきているんです。この結果、どういうことが生じているでしょうか。特別養護老人ホームに入りたくても入れない高齢者が4万3千人を超えております。また、子育て中のお母さんが子どもを預けて働きたくても、保育園が足りません。保育園に入りたくても入れない待機児童は2万人をこえております。私はまず東京都の都政では福祉を充実させます。そして、特養老人ホームに入れない高齢者をなくしていきます。待機児童をすみやかになくしていきます。

さらに若者が希望を持って働けない状況があります。なかなか就職のできない、職がない、就職できても非正規労働だけだと。正社員になっても長時間労働、過労死、過労自殺が多発しております。さらには昨年からブラック企業の問題が大きな社会問題になっております。若者が就職しても使い捨てにされてしまう。なかにはうつ病を発症して会社を休まざるをえない。それにかこつけて会社は若者を次から次へと解雇する。こういうブラック企業の問題が大きな社会問題になっております。私は東京都が若い人にとって働きやすい職場環境をつくるために、まず、ブラック企業規制条例をつくって、東京をブラック企業がないような街にしたいと考えております。また、過労死防止条例をつくって、長時間労働をやめさせる、サービス残業をやめさせる、こういう条例をつくります。さらに、東京都が発注する企業、公共事業を受注する企業に関しては、公契約条例をつくります。東京都の公共事業を受注する企業は、そこで働く労働者の最低賃金を保障しないとだめだと。さらには男性と女性が同じ賃金、男女賃金の差別をなくす。こういうルールを確立している企業でなければ、東京都の公共事業受注させなくする。公契約条例をつくります。

さらにもう一つ、住宅の問題は深刻です。石原都政、猪瀬都制の14年間、都営住宅は1個もつくられてないんです。都営住宅があまっているかというとそうじゃないんです。倍率は高い、何年持ち込んでも当たらない、現在都営住宅に入りたくても入れない人は20万人をこえております。さらに、昨年から脱法ハウスの問題が大きな社会問題となっております。倉庫を間仕切りして1畳や2畳の空間を住宅として貸している。2万、3万の家賃を払ってそこに住んでる労働者がたくさんいるわけです。あるいはレンタルオフィスを借りて、そこを間仕切りにして住宅にする。これは消防法違反、建築基準法違反なんです。そういう脱法ハウスは、禁止されてもそこに住んでいた人、2万、3万の家賃しか払えない人、追い出されたらどうなるんでしょうか。野宿をするしかなくなるんです。私は、住まいの政策がきわめて貧困であったと考えております。都営住宅を作るだけではなくて、都内には空き家がたくさんあります。これを都が借り上げて、公共住宅として住宅に困っている、住まいに困っている人たちに提供します。さらには、ヨーロッパでは行われている家賃補助制度を検討します。2万、3万なら家賃は払える。そういう人たちに対して、都が2万、3万の家賃を補助すれば、ちゃんとした人間らしいアパートを借りることができます。こういう政策を通じて、東京都ではびこっている住まいの貧困を解決します。

都民の命を守るためには、近く予想されている首都直下型地震対策も急務であります。この震災対策に力を入れたいと思います。ところで、石原、猪瀬都政の14年間、実は防災対策、震災対策を手を抜いてきているんです。石原さんが都知事に就任した当時の都の防災予算は年間1兆円だったんです。ところが今、6千億円に減らされてきております。それから震災が起こると、火災や建物の倒壊で死者がたくさん出てます。この建物の耐震工事、あるいは木造家屋の不燃化工事、難燃化工事、これが急がれてるわけです。ところが、東京都のこれまでの基本方針は、建物の耐震工事や不燃化工事は自分でやりなさい、こういう方針なんです。都は道路の整備はやります。だけど1人ひとりの都民の建物の耐震化工事や不燃化工事は自分でやりなさい、こういう考え方なんです。

お金がない人は、耐震化工事が得られないじゃないですか。お金がない人は不燃化工事なんかやれないじゃないですか。そうすると震災が起こったら、死んでもしょうがないって言うんでしょうか。こういう震災対策を都民の自己責任にまかせる、都民の命を大切にしない、防災対策を根本的に転換します。東京都が補助金を出して、都民の皆さんの建物の耐震化工事、不燃化工事を進めます。それから、東京には老朽化した施設がたくさんあります。この施設は倒壊しますと、多くの方が亡くなります。それを防ぐために、老朽化した施設の改修工事、補修工事に力を入れます。

それから、東京湾のコンビナートの安全対策もきわめて重要です。これはこれまであまり検討されてきませんでしたけど、東日本大震災では、仙台港、気仙沼港、そして千葉港でも火災が発生しております。石油タンクが燃え広がって、大変な災害が発生しているんです。実は東京湾には石油タンク、ガスタンク、劇物タンクが5千基以上あります。ここで火災が発生したら、大変な災害になります。また、東京湾には12か所の火力発電所があります。現在、原発は動いておりませんので、この火力発電所で発電された電力が首都圏に供給されているわけです。ところが東京湾が炎上しますと、火力発電所にエネルギーが、電力が石油やガスが供給されなくなりますと、火力発電所の機能が喪失して、首都圏に電力が送れなくなります。この災害、大変な被害を防ぐためには、お隣の神奈川県、千葉県とも協力して、東京湾の耐震対策、安全対策が不可欠であります。

3番目、脱原発、脱被ばくを推進します。原発のない社会を東京から発信します。福島原発で発電された電力の最大消費地が東京都であります。また、東京都は東京電力の大株主でもあります。私は、福島の原発事故で被害を受けた被害者に対して、東京都、東京都民は、最大限支援する大きな責任があると考えております。被害者の支援を行うとともに、私は東京電力の株主総会で福島第一・第二原発の廃炉を提案します。さらに、現在進められようとしている柏崎刈羽原発の再稼働に反対するとともに、柏崎刈羽原発の廃炉を提案します。この点については、新潟県の泉田知事と連携をしながら、柏崎刈羽原発の廃炉を進めてまいりたいと考えております。

4番目、子どもの教育も重要です。いじめが多発しております。私は、いじめのない、子どもたちがのびのびと学べる学校をつくります。そのためには、教員集団が自由でなければなりません。教員に対する管理・統制の強化、君が代、日の丸の強制をやめさせます。そして、30人学級の実現に力を入れます。5番目の基本政策。安倍政権の暴走にストップをかけます。そして憲法を守り、東京からアジアに向けて平和のメッセージを発信します。

2つの特別政策、2020年のオリンピック、パラリンピック。このオリンピックはシンプルで環境に配慮したオリンピックにします。そして、このオリンピックは東日本大震災の被災者や、原発事故の被害者も歓迎できるオリンピックにします。そのためにも、原発事故の被害者、東日本大震災の被災者の支援、生活再建に、全力を挙げます。オリンピックは、平和と友好の祭典です。真に平和と友好の祭典にするために、アジア諸国、世界各国との関係改善につとめます。そして、パラリンピックを成功させるために、2020年までに東京の街をバリアフリー、ユニバーサルデザインの街につくり替えます。当然のことながら、2020年オリンピックに向けて、カジノを招致しようとする動きには断固反対します。特別政策の2つ目、猪瀬さんのお金の問題。都知事を辞職して幕引きにさせてはならない。徹底的にこの真相を追及します。カネや利権と決別したクリーンな都政を立ち上げます。

このような政策を実現するためには、今日集まっていただいている皆さんの支持が必要です。私は都知事になっても、都庁舎に閉じこもっておりません。都民の中に飛び込んで、無数の対話集会をやりながら、都民の皆さんの声、要望に耳をかたむけて、それを都政に反映します。皆さん、都政は変えられます。変えるのは私ではなくて、皆さん方なんです。皆さん方が立ち上がれば、必ず東京を変えることができます。東京が変われば、日本が変わります。1月19日に行われた名護市長選。沖縄の人は札束に魂を売らなかった。この戦いに続きましょう。東京都民の心意気を示しましょう。沖縄と連帯して新しい東京を始めましょう。そして新しい日本をつくりましょう。頑張りましょう。

東京都知事候補・宇都宮けんじが訴えさせていただきました。頑張りましょう。

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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