三択か四択か。もういっそうの事、自民系vs民主系の二択で決着をつけた方がいいんじゃないのか。そんな投槍な考えがよぎる今回の東京都知事選である。「誰を選ぶか」ではなく「誰を選ばなければいいのか」という思考の元で、都民は選択しなくてはならない気がする。
今回の都知事選の特徴は、「争点の問題」がある。小泉純一郎の突然の出現で原発が俄然、争点となってきている観がある。しかし、それは国政選挙でやればいいのであって、東京都知事選でやるべき問題ではない、という批判もある。僕は原則論としてはその通りなのだと思っていた。前回の衆議院選挙では脱原発・原発推進かが、当落の分かれ目と言われたが、選挙には原発問題は影響がなかった気がする。
では、いっそうの事、この機会に都知事選で原発を焦点にしてまってもいいとも思い始めている。次の大きな選挙は夏の統一地方選くらいで、そこで原発問題が議題に上がるかどうかは分からない。なので、小泉純一郎という、ある種の起爆剤みたいな人の発言に端を発した「原発を争点とする都知事選」もアリなのかなとも思う。確かに国政選挙ではないが、日本の首都の長を決める選挙である。この際ハッキリさせてもいいのではないか。
僕個人としては、福島第一原発での作業員や被災者たちの生々しい声を取材してきた身なので、一度、事故が起きたら人が住めないような原発は、リスク管理上、出来ればなくした方がいいでは、という考えだ。ここは取材してきた作業員達と異なる点だ。彼らは原発賛成であった(勿論、『僕が取材した作業員』という限定付である)。
もう一つは金の問題になるだろう。猪瀬前知事が金で辞任したので、次の都知事はクリーンでなければならないはず。が、既に金の問題が記事化されている候補もいる訳で、仮に彼が当選した所で、マスコミに金の問題を追及されるのが目に見えるようだ。
また都知事選後、水面下では猪瀬前都知事を本格的に東京地検特捜部が狙っている、という声もあり、余計に金の問題については各候補とも慎重にならなければいけない様相だ。
今年の自民党大会を取材したのだが、安倍首相の演説で一番時間を割いていたのがアベノミクス(という言葉は使っていなかったが)の効果だった。つまり景気回復である。これは国民全員が思っている事であろう。都民も同様だ。その為のオリンピック・パラリンピックでもあるのだろう。世界中の眼が2020年には東京に注がれる訳で、それだけに出来れば、クリーンな候補、しがらみがない候補をマスコミの末席を汚させている身の前に、一都民として投票したいものだ。