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【都知事選2016】小池ゆりこ候補 政見放送 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2016年7月23日

7月22日にNHK総合で放送された小池ゆりこ候補の政見放送の書き起こしです。


東京都知事候補、無所属、小池ゆりこ、64歳。カイロ大卒、キャスター、参議院1期、衆議院8期、防衛大臣、環境大臣、沖縄北方大臣、安保担当総理補佐官、自民党総務会長。

では、小池ゆりこさんの政見放送です。

都民の皆さま、東京都知事候補の小池ゆりこでございます。

24年間の参議院・衆議院生活の間、環境大臣、防衛大臣など行政の実務にも携わってまいりました。環境大臣時代には、気候変動対策として、クールビズの発案など、国民の皆さまの共感を呼び起こし、大義を達成する手法で、ささやかながら社会を変革してまいりました。

私は持続可能な発展ができ、世界に誇れる首都・東京へと、この東京を大改革していきたいと、自ら手を上げました。私個人の再就職探しではございません。この大東京を、都民にとってより暮らしやすい、働きやすい、子育てのしやすい、そんな東京にグレードアップしたい。その一心なんです。

では、何をするか。まず都政の透明化です。都議会自民党の一部の強引なやり方で、都民が置き去りにされています。都知事の頻繁な交代や、今回の知事選候補者選びなどもその一例です。都政への信頼回復、都民のための都政、これを取り戻してまいります。

東京オリンピック・パラリンピックの成功のためにも、関連予算や運営の適正化は欠かせません。いつ、誰が、何を、どこで決めているのか。都民の税金が無駄に使われてはいないか。都全体の行財政改革も徹底して行わなければなりません。そのためには、まず自ら身を切る改革として、都知事の報酬を削減してまいります。

そして、3つの新しい東京を作ります。それはダイバー・シティ、セーフ・シティ、スマート・シティです。

第一に、ダイバー・シティです。すなわち、女性も、男性も、子どもも、シニアも、障害者も、活き活きと生活して、活躍できる都市・東京づくりです。なかでも、人口の半分を占める女性が、仕事か子育てかといった二者択一ではなくて、自らの夢を実現でき、活き活きと暮らせる、家族と共に暮らせる。そんな東京を目指しています。これまで政策の片隅に放って置かれた女性政策を、正面に引っ張りだすのです。

女性支援のためにも、待機児童ゼロを目指して、保育所の受け入れ年齢、広さ制限などの規制を見直してまいります。介護離職ゼロについては、市ヶ谷の学校跡地など、都内の遊休空間を有効利用しますが、でも、肝は保育士、介護士の待遇改善なんです。財源? それは行財政改革、オリンピック・パラリンピック、その予算の見直しなどからも確保してまいります。

高齢者にとっても、安心できる医療制度の充実も必要です。実は私、3年前に母を自宅で看取りました。その経験をもとにして、地域包括ケアシステムを一層充実してまいりたいと思います。

また、当たり前とされてきた長時間労働、あのすさまじい通勤の満員電車、これもゼロを目指してまいる。その工夫をしていきたいと思います。人々の共感を呼ぶ、意識改革、制度改革、そして技術改革のセットで社会は変わっていくんです。

第二に、もっと安心、もっと安全で、もっと元気なセーフ・シティとします。首都直下型地震や水害などに備えて、東京の耐震化、不燃化を推進してまいります。また、ニョキニョキと生えている電柱の都道ゼロ化を強力に進めます。地域の絆の役目を果たす町会や商店街の発展を支えます。治安・テロ対策は、内外の連携で万全を期してまいります。多摩格差ゼロを実現し、島嶼部にもしっかりと目配りをいたします。

第三は、世界に開かれた環境・金融先進都市、スマート・シティの確立です。環境大臣の経験をもとに、再生エネルギー、水素、バイオの活用、LEDなどの省エネ技術を駆使して、また徹底して普及させていきます。都心農業を守ることも、ヒートアイランド対処にもなります。私は東京を環境先進都市とする方策と自信があるんです。

経済ニュースのキャスターを務めておりました90年代ごろ、東京、ロンドン、ニューヨーク、これが世界の三大マーケットだったんですね。いまやアジアの拠点、シンガポール、香港、移っています。私はもう一度、東京をアジアのナンバーワンの座に取り戻したいと思っております。日本経済の基礎となる中小企業の支援、事業再生、ベンチャー支援、強力に進めてまいります。そしてその術は、実は既にあるんです。特区制度です。これを最大限活用することであります。

さてみなさん、もはやたった一人の厳しい戦いです。茨の道です。組織戦対一個人、女一人の戦いになってしまいました。でも、私は都民の都民による都民のための都政を取り戻すための大義ある政策を高らかに掲げて、都民の共感を得て、この戦いに勝ち抜く思いであります。

どうぞ、小池ゆりこに――

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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