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【都知事選2016】上杉隆候補 街頭演説第一声 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2016年7月15日

7月14日に高田馬場で行われた上杉隆候補の街頭演説第一声の書き起こしです。

ニコニコ生放送:http://live.nicovideo.jp/watch/lv269530356#13:44


高田馬場に帰ってまいりました、東京都知事候補の上杉隆です。

あんまり、大きい声でやるのは趣味ではないので、声を張り上げるのはやめようと思っていたんですが、雨で聞こえないのでやらせていただきます。

東京都知事に立候補して、この場に最初に第一声としてやらせていただくということで、天候にも恵まれ、みなさんもとても心地よい気分で、これから私の東京への思いを聞いてもらえると、思うと感無量です。

地元高田馬場、新宿で育ち、そして、いまこのようなかたちで自分の地元の故郷・東京のために、何かできるかということでやってまいりました。

私は新宿に引っ越してきたのは、小学校3年生の時。父が病気で、それまで住んでいた杉並区の家に住むほどのお金もなくなり、都営アパート、こっからもう2キロくらいですかね、新宿の都営アパートに家族揃って引っ越してきました。それでも病気になった父は……聞こえませんねぇ。病気になった父は、会社を休まざるを得なくなり、その後生活保護を受けるというところまで家計は厳しくなりました。そのときに、陳情というのも変ですけど、助けていただいたのは実は、共産党の議員の先生です。それで、中学校3年行きまして、妹弟もいますが、中学校を出て、父の方針でもあるんですが、家を出され、生活費をアルバイトで稼ぎながら、この高田馬場でいろいろ仕事をしたり、アルバイトをしたりして、生きてきました。

高校は東京都立広尾高校に行くのですが、当然ながら授業料も払えない。自ら生活費をアルバイトで――無くなったかな?あそこのカラオケ屋もそうですが、さまざまなところで働き、そして、都の奨学金を頂戴して、いま、それを卒業し、大学に行くということができたわけです。

いろんな偉そうなことを、その後いろいろ言っていますが、この故郷高田馬場がなくて、そして、東京都がなければ、いまの私はいないわけです。ですから、その東京への思いというのは誰よりも強く、いつか機会があったら恩返しをしようかと、こういうふうに思ってました。その恩返しの場と、どういうものがあるのか、ということを考えて、その後、17年に渡るジャーナリスト生活を送ってきました。地元、文京区、隣ですけど、今度は東京の選出の鳩山邦夫さんの事務所に入り、秘書として働き始めたのが、若いころです。20代後半。

そのなかでさまざまなことを学び、国会などの仕事をしている最中に、その父が亡くなりました。母も含めて、妹弟と、長い生活を、病気の生活もありましたが、父が亡くなった時に葬式を出していただいたのが、鳩山邦夫さんと、鳩山家と、そして、いまこの地元高田馬場のマルシメ文具店のオーナーの杉森さん。そしてその地元の仲間たちが葬式を出し、最後父を見送ってくれた。その鳩山さんが、東京都知事選に99年に出て、少しばかり時代の早かった環境政策を打ち立て、東京都知事選に東京ビジョンとして出馬をしたのですが、石原慎太郎さんに接戦で敗れ、負けました。そのときの政策というのは、いま考えてみると、本当に東京がいい街で生きるにあたっては、多様性を持った大事な政策だった。チョウチョが跳ぶような都市、これは馬鹿にされたんですがいま考えてみると、いま考えると生態系のビオトープの発想、そういうこともあります。その夢を、先々月、政治の師である鳩山さんが、命を落とし、亡くなり、家族、鳩山家のみなさんと一緒に寝ずの番をしたり、あるいは、棺を担いだりしながら、ジャーナリストとしてやってきた17年間、これはもう十分お返ししただろうと。さまざまな形で多様性のある言論空間を提供すると、いうことで、私自身やってきたことはもう十分お返ししたということを判断して、次は何ができるのか。次に自分がやることは何だ。父は60で亡くなりました。鳩山さんは67。私自身48ですが、60代まで生きたとしても、あと数十年間で何ができるか。これを考えたときに東京都知事選というのが、ちょうど始まるかたちでした。

これまで都知事選には7回、取材記者として、あるいは秘書として、あるいは選対の設置者として関わってきました。今回も準備をしているなか、さまざまな候補の名前が上がっては消え、上がっては消え、また上がっては消え、やっているなか、どの候補も本当に東京のことを思っているのか。本当に心から東京を知っていて、問題点を把握しているのか。そして、その東京をきちんと解決するための、問題点を解決するための方法論を持っているのか。見渡したところ、あまり見当たりませんでした。ならば、このお世話になった東京、この東京に、恩返しをするのはいまじゃないか。

もう東京都知事選の選考を見ていても、やれ自民党の公認は誰だ、やれ統一候補は誰だ、やれ野党は誰だ。政策1つも答えられないで、政策を1つも語らずに、単なる、東京ではなくて、知名度という、そういうものだけで選んでいる姿を見て、疑問に思ったわけです。東京は自民党のものではない。民進党のものでもない。公明党のものでもなければ、共産党のものでもない。ましてや、そういった組織や団体のものでもなく、あるいは、日々流れているテレビ局の選考で決められるものでもない。東京は、皆さん都民のものです。なんで都民のものの東京を、一部の組織や、一部の利害関係で、勝手にそのトップを決めるのか。それはおかしいじゃないか。

かつての都知事選は違いました。99年、お師匠さんの鳩山邦夫さんが出たとき、石原慎太郎さんと舛添要一さん、三上満さん、ミツマンですね、柿澤弘治さん、そういう人達が出たときは、財政再建団体転落寸前の東京をなんとか救おうと思って、みんな朝から晩まで議論を交わし、そして、石原慎太郎さんを選んだわけです、都民は。その後もそうです。さまざまな東京の問題が起こるたびに、真剣に話して考えた。石原さんの前は青島さんでした。その前は鈴木俊一さん、そしてその前は美濃部亮吉さん、その前は東竜太郎さん、そして初代安井誠一郎さん。みんな東京を、トップを決めるときにまともな政策論議をして、何をすべきか、この人と一緒にどういうチームを組むか、と話したのに、今回の都知事選は、なんですかこれは。自民がどうのこうの、野党がどうのこうの、繰り返すように、東京は政党のものでもなければ、メディアのものでもない。都民のものです。そうした時に私自身は、ちょっとおかしいんじゃないか、ちゃんと真面目にやろうよ、そういうふうに考えたんです。

もともと政策を持っていました。たくさんの知恵あります。17年間での取材経験などを活かして、財源の在りか、そして何かの問題があるか、その問題点の解決方法というのをすぐに提示できます。これを話しだすと、この雨のなか、みなさんはあと5時間くらい立ってなくちゃいけない。5時間くらい。大丈夫ですか、ダメですか。

簡単に言うと、財源はどこだ、3200億円の財源。これ年間3200億円が東京都民の皆さんが払った税金が地方に流れるんです。そういうのを、一回、オリンピックまで凍結するとかするとか、さまざまなアイデアがあります

そして、喫緊の課題があるんです、東京は。まず、今後30年間で70%の確率で起こる直下型地震。これは、必ず起こる。そして、東京湾北部でマグニチュード7以上で起これば、死者が9700人。これは東京都が算出したおそらく一番少ない数字です。9700人の命が奪われることを前提に政治行政が――政治行政がですよ、都民が死ぬことを前提に統計出すのはおかしいでしょう。ゼロっていうのが普通なんです。私はゼロにする方法を少なくとも、ある程度知っています。単純ではないです、自然災害ですから。ただ、そのゼロ。たとえば、昨年舛添知事が配った東京災害という黄色いパックありますよね。東京都660万戸全戸配布で20億円です。そして、みなさん、たとえば、防災グッズ、買われているのはありますが、あれもヘルメットやら、水やら、さまざまなものがはいって、それを660万の世帯全部に配っても、500億ちょっとで出せるんです。老朽した都営住宅、木密地域――木造建物が密集した地域。それも都市計画で十分にやれば、1000億円ぐらいの規模でまず初年度入れれば、変わることができます。

そういうような喫緊の都民の命を守るようなものをやらなくてはいけないのに、なぜ政党の支持が、そして誰が降りるかどうか、こんなことが重要なのか。まったく意味がわからない。まったく意味がわからない。テレビや新聞のすばらしい人たちも、ぜひ、政策、誰の候補でも構いません。名前はA、B、Cでもいいから、政策論争をする。報道取り上げて、本当の東京の危機を考えるのがいまじゃないか。

老人問題、月400人以上が養護老人ホームへの待機者がいます。いま入れば、まだまだなんとかなるのに、孤独死やそういうような不幸なことを待っている。わずか110億円の予算で解決できる。これは基本的にはマンパワーの問題。

さらに待機児童――よく言われますが、解決方法はいくらでもあります。というか1つもうあるんです。7000人以上が今現在、東京の待機児童としています。だが、それも、簡単に解決します。まず、練馬方式。練馬の区長が前川さんが、元、都の福祉局長でしたけど、彼がやった幼保一元化。つまり、建物が余っているのは幼稚園。保育園は足りない。幼稚園のなかに保育園を作るという、認証こども園(発言ママ)を作ることによって、練馬は解決した。来年はゼロになります。

ところが、東京都はやらない。東京もやればいいじゃないですか。東京がやったらいい。認証こども園をやれば、練馬方式で、たった2年で、予算500億円強で、一挙に解決します。それでも予算があるんだったら、保育園を無料化して、全部無料化です。さらに、それでも予算が余れば、3000億円ありますから、1年間で。そしてオリンピックの当初4500円案を2兆円となっていますが、圧縮すれば、もっと上がります。だったら、保育園無料化どころか小学校まで、あるいは中学校まで教育を無料にする。私自身、やはり高校で東京都からお金をお借りして、そして学んできたことが、いまなんといってもありがたかった。学ぶ権利を、持っていない子どもたちもいます。

そういうことで、とにかく今できることをやらないという怠慢をなんとかしなくちゃいけないというのに、何度も言うように、何をやっているんですか、今回都知事選は。自民や共産や民進や公明、どうでもいいこんなものは。組織じゃないんだ。とにかく東京がいま何が必要か。それを政策で言えばいいだけの話だと。まあ、こうやって言うとですね、またテレビに出れなくなるんですけど、テレビ局の皆さんおねがいしますよ。もう、私の顔を映さなくていいから、とにかく政策だけでも、政策だけでも、他の候補の話すように伝えてください。私いなくてもいいから、いまの言ったこと。

そして、そういうことをやって、人にお願いしている以上は、自分の立場考えて、私自身がみなさんに最初にお約束できることがあります。それは、それはですね、東京都知事として仕事をするにあたって、うんざりするような政治とカネの問題を解決するためにも、知事給与を全額返上して0円で働きます。知事給与はいりません。いま1ヶ月、知事の給与は145万6000円ですよ。かける12。そして4ヶ月のボーナス手当も含めると、年間で2600万円。1期4年です、知事は。そうすると1億円。更に辞めるたびに約4000万円の退職金。こんなものを1人の知事がそんなにいらないでしょう。東京都民が働くのに。私はこれを返上します。

幸い、平成28年4月の条例改正で、知事の給与に関しては、条例案で変えられることができました。確認しました。0円できます。都庁の優秀な職員に聞いたところ、できるということがわかりました。このようなかたちで言いながらも、0円では厳しい。結構お金ありません。こんな選挙やってるんだから見ればわかりますよね。都知事候補がビール瓶? ビール? これ(註:瓶ビールのケース)の上に上がって、やるという第一声はあまりないと思います。だけど、私はできます。それまでやってきましたから。だいたい貧乏な生活は慣れてます。お金持ちの生活もしたいけど。でも、できるんです。

それで、もし1期目、いま言ったようなことたくさんやります。政策を推進しました、これやって、「おう上杉やったじゃん、よくやったじゃん、上杉隆言うだけじゃなくてきちんと東京のために働いたな」といったときに初めて、2期目に給与をいただきたい。それまではいらない。つまり成果報酬、後払い。都知事として仕事をしてから、皆さんに自分の給与をいただきたい。政治団体は持っていません。政治資金管理団体を私は持っていません。もともと出るつもりなかったからです。他の候補はみんな持ってます。このまま作んなくていいんじゃないか、そういうふうに思っています。

とにかく、なぜかというと、自分自身をここまで育ててくれた東京都へ恩返ししたい。都営アパートに住んで、生活保護を受け、そして、中卒で、高校に自腹で通いながらやってきた仲間たちに返すと、いつも言ってますけど、そういうことの恩返しというのは、それくらいの覚悟でやらないとできないんじゃないか。ということで、もう、繰り返すように、もはや東京は、政党や組織などで一回一回争っている時期ではありません。東京は自民のものでもない、民進のものでもない、共産のものでもないし公明のものでもない。政党のものでもなく、メディアのものでもなく、東京は都民のものです。都民のもの、都民の東京です。もうくだらない争いはやめましょう。もう本当にくだらない争いはやめましょう。

<傘をたたむ>

降ってる? 止んでます(笑)。ということで、皆さん、東京はもう、ほんとうに今まだ間に合うんです。オリンピックまで4年。もう間に合う時期です。演説も間に合います。間に合うんです。ぜひそういう意味で、この、いま言っている約束、上杉信じられると思ったら、入れてください。こいつ嘘つくなと思ったらいいです。東京を変えたいと思う人は入れてください。東京を変えずに、このまま党利党略、そして組織、そういう都政をまだ続けたいと思う人は、絶対に私にいれないでください。絶対に私にいれないでください。絶対にいれないでください。(注:カメラに向かって)ここだけ使わないでください(笑)。

とにかく変えましょう。とにかく変えて、そして、みんなが笑いがあって、多様な意見や、多様な人たち、差別もなくし、そういうような東京を作っていきましょう。ありがとうございました。終わり!

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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