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【都知事選2016】鳥越俊太郎候補 政見放送 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2016年7月22日

7月21日にNHK総合で放送された鳥越俊太郎候補の政見放送の書き起こしです。


東京都知事候補者、無所属、鳥越俊太郎、76歳。1940年、福岡県生まれ。京大卒、毎日新聞記者、サンデー毎日編集長を経て、テレビキャスターに。がんNPO理事長歴任。

では、鳥越俊太郎さんの政見放送です。

鳥越俊太郎です。このたび、さまざまな関係団体、そして、都民の皆さまのご支援を受け、都知事選に立候補することを決意いたしました。

まずは、野党統一候補としての立候補を実現してくださった関係各位の皆さん、そして、厳しくもあたたかい目で経緯を見守ってくださった都民の皆さんに心から感謝いたします。誠心誠意、その思いに答えていく覚悟です。

私は1965年、毎日新聞社に入社して以来、約半世紀に渡り、ジャーナリストとして現場主義を貫いてきました。現場主義とはすなわち、その時その場所にいる一人ひとりの声に耳を傾けるということです。私は、都政においても、現場主義、つまり、一人ひとりの声に耳を傾ける政治を徹底したいと思います。

そのうえで、ここに3つの提言を発表します。それは、「住んでよし」、「働いてよし」、「環境によし」、3つの「よし」が揃った東京を作るということです。

まずは、住んでよし。東京にはさまざまな人が暮らしています。家族がある人、1人で暮らしている人、障害がある人、介護が必要な人、男性、女性、LGBTの方、子どもや大人、高齢者の方たち、そのすべての人々が安心して暮らせる住環境を作ること。たとえば、保育園と待機児童は子どもとその親御さんの暮らしの問題です。多種多様な人々が、互いに助けあい、NPOなどと協働しながら、新しい地域コミュニティを作ることが大切です。すべての人が希望を持って暮らしていける東京を目指しましょう。それが東京という街の可能性を最大限に引き出す基盤となります。

次に、働いてよし。いま、労働の現場では働く人たちがさまざまな場面で苦境に立たされています。長時間労働や過労死の問題、最低賃金の問題、これらは決して自己責任などで片づけられるべき問題ではありません。政治が責任を持つべき問題です。皆さんの現在の働き方を支えるとともに、共働き家庭の負担軽減や子育て世代の再雇用へのハードルを下げるような、新しい働き方も提案したい。東京という街が持つ最大の資源は、皆さん一人ひとりの働く力です。古いシステムを変え、働く人を大切にする都政を実現します。

最後に、環境によし。東京都は大気汚染、土壌汚染、騒音、振動などの規制を進めてきた環境先進都市です。また、福島原発事故の教訓を活かし、脱原発を推進、災害に強い分散型の再生可能エネルギーを導入し、世界の五大都市としての東京を作っていきたいと考えます。

住んでよし、働いてよし、環境によし、この3つのよしで、まずは東京で暮らすすべての人たちの生活の基盤を整え、都民の皆さんが安心してその力を発揮できる街を目指します。そして2020年、来るべきオリンピックへ向け、世界へと開かれた新しい東京のかたちを描いていきたいと思います。

しかし不幸なことに、東京オリンピックは、現在に至る経緯のなかで、お金にまつわるさまざまな問題に晒されてきました。この問題を直視することなく、開かれた新しい東京を実現することはできません。すべての問題にメスを入れ、クリーン、オープン、スマートなオリンピックを目指します。

日本人の2人に1人は、がんを患います。人ごとではありません。私もがんに冒され、4度の手術を乗り越えて、いまここにいます。私はがんの検診率をまずは50%を目指し、早期発見に向けた政策に取り組みます。

ほんとうにいろんな人がさまざまな生き方でこの街に住んでいる。その多様性こそが、東京という街の持つ最も大きな可能性です。異なる価値観を持つ人々が、相互に影響しあってこそ、都市に新しい可能性が拓ける。私はこの東京の多様性を活かし、ともに生きることで、成長していく都市を目指します。

しかし、これらの政策は、私の力だけで実現できるものではありません。必要なのは、皆さんの力です。皆さんと一緒になら、困ったを希望に変える、東京に変えられます。ほんとうの変化とは、上から押しつけられて行われるものではないはずです。皆さんの声を、聞かせてください。そして、皆さんの力を貸してください。

都政は都民から離れすぎました。私はいつだって市民の側、都民の側に立ちます。私にはそれしかできない。しかし、その思いは誰にも負けません。あなたの手に都政を取り戻します。東京を、一緒に、作りましょう!

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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