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  • Photo by Osamu Kaneko (CC BY 2.0)

僕は、明日初めて投票にいく

  • Yamato 19歳 (都内大学2年生)
  • 2016年7月9日

僕は、明日初めて投票にいく。自分の投じた一票で、日本が良くなると信じて。

でも実のところ、僕は未だになにに投票しようとしているのか、投票でなにができるのかわかっていない。自分の一票が、日本のための一票になるようにと考えているけれど、なにに投票したらいいかわからない。候補者の名前と党名を書いて、そこを支持する、そこに日本を託すために投票するのだとして、でも僕は一体なにを託しているのだろう。

大人は、僕らは意志表示をしないといけない、じゃないと生活が危ない、だから投票にいけと言う。だけど、いままで生きてきて生活が危ないと感じたことなんてないし、「戦争」なんてゲームの中の話、「右翼」「左翼」なんてまとめサイトに載っているネタの一つに過ぎない。

でも、危機感がないわけじゃない。

親の世代が作ってくれた恩恵を受けまくって、世界で一番と言えるくらい恵まれた生活をしている。平和ボケと言われるほど平和を享受していることなんてわかりきっているけれど、でも、いまの日本が正しいとは思えない。少子化が叫ばれる中で若者の自殺者が増えていることに、不満がある。社会保障の負担は増していく一方で保育園が足りない、若者が子育てしたいと思えない国になってしまっていることも、納得がいかない。就活だって、おじさんたちは、いまの若者は大変だねと同情してくれるけれど、そう言っているおじさんたちに、僕らの未来は決められている。僕らは、停滞した経済の中で、失われた20年を生きてきた。新たな日本を切り拓いている姿なんて見たことがない。生まれてからずっと、世界2位の経済大国だった。

「若者は保守寄りで、自民党支持が多い」とニュースが言っていた。たしかにそうだろうと感じる。だっていまの生活を格別変えてほしい、変えたいと思っている若者はそんなにいないはずだ。

変わらなくても明日はくるのだから。

しかし、その明日が来続けた先にあるのは、高齢化社会だ、年金だ、リストラだ、社会保障だ……明日は来るけれど、その先にはなにもない。

どの党の公約を見ても、この不安や不満は解消されない。解決策が示されてないわけじゃないのに、しっくりこない。物足りないのはなぜか。

きっと、未来なのだと思う。

僕が託したいのは——僕たちの不満を理解し、正義を示し、理想を政策で実現しようとする存在への一票なのだと思う。僕は、これから生きていく道に希望を感じさせてくれる誰かに、未来を託したいのだ。

たしかにもし9条が改憲されてしまったら、よくないことはわかる。危機がそこにあるから、と言ってあっさりと変えていいものじゃない。9条は71年間戦争をしていない戦後日本のシンボルの一つだ。むしろいまの国際情勢だからこそ、世界に誇るべきものじゃないか。でも、「ただ護憲を訴えている人たち」に僕は未来を感じられない。だって彼らが今回の選挙で3分の2を阻止できても、僕らの不安はきっとなにも解決しないから。有名無実になるくらいなら、矛盾を先延ばしにするくらいなら、変えたほうがきっとすっきりするんじゃないかと思う人たちがいるのもわかる。

アベノミクスを批判して、「日本は悪くなっているのだ」と訴えられても、余計に絶望するだけだ。じゃあ憲法が守られたら、アベノミクスをやめたら、僕らの未来は明るくなるのか。

指標や政策の一つ一つが世の中を順々に明るくしていけたら理想的だ。ただ、それを現実的に考えて実行できる人が果たしているのだろうか。それは「9条を守るための選挙」だとか、「アベ政治を許さない」としか言わない人たちではないんじゃないか、少なくとも僕はそう思ってしまう。僕は、選挙で問われるべき本来の論点を政策でどう解決するのかを聞きたい。僕たちが一票を入れるべき選挙は「誰かにNOをつきつけるための選挙」ではないはずだ。

だけど……自民党に手放しで賛成もできない。いまの政治に納得のいかないことはたくさんある。

きっとどんな人でも漠然とした不安は抱えているのだと思う。大事なのは、日本をどうしたいか、どんな国であってほしいか、どんな未来を目指すのかを考えることだ。その意志表示が投票だ。というか、そもそも「良識の府」って、そういうところじゃなかっただろうか。

19歳になった僕は明日初めて投票にいく。若者の意志表示のために、僕たちの未来を託すために。突きつけられた現実に屈するためでも、理想論に踊らされるためでもない。未来のために、だからこそ選挙にいこうと思う。

著者プロフィール

Yamato 19歳
やまと19さい

都内大学2年生

運動ばっかりしてる19歳の大学2年生。大学の専攻は経営学。趣味は音楽、サッカー、読書。

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