7月26日にNHK総合で放送された山口敏夫候補の政見放送の書き起こしです。
東京都知事候補者、国民主権の会、山口敏夫、75歳。松山高校、明治大学卒。労働大臣、外務委員長を歴任。衆議院議員10期30年。現在、国民主権の会代表。
では、山口敏夫さんの政見放送です。
こんにちは。このたび東京都知事選挙に立候補いたしました、私、山口敏夫の出馬への動機、覚悟、決意の一端を、お茶の間でご家族の皆さまとともにご清聴いただけますことを、心から感謝を申し上げます。
いま都民生活のなかで、待機児童の保育所の問題が大きく取り上げられています。また、高齢者を抱えるご家族のなかでは、特別養護老人ホーム施設等が足らないと、こういう、困っておられます。いろいろ事情はありますけども、やっぱり東京オリンピックという事業のなかでですね、国や東京の予算も優先的に使われていると。インフラ事業もオリンピックが先だと。こういうなかで、お母さん方が保育所が足らない、あるいは老人ホームが足らない。こういう問題が発生しているわけでもあります。
私は、オリンピックを1つの議題にしたいと思うんですけども、やっぱり都民の皆さん方はですね、東京で開かれるオリンピックについて、もちろん私は賛成ですけども、あまりにも事業運営に対するご関心がなさすぎると。オリンピックの総予算はですね、国の予算、東京の予算、あるいは民間企業の設備予算等入れますと、総額17兆円にもなると言われています。そのうち、数兆円がですね、東京都民の血税が投資されることになるんですよ。この皆さんの所得税、住民税、消費税のですね、何百倍もの負担が東京オリンピックによって課せられると。これを公平にしてかなきゃならないというためには、やっぱり森喜朗(編集部註:モリキロウと発話)を会長とするオリンピックの不祥事、国の内外ですよ、国の内外からいろいろな批判を受けている。賄賂の問題、あるいは談合の問題。そういうスポーツを商業化するから、当然政治が絡むとオリンピック利権というのが発生するわけです。
これは被災地の、東日本の皆さんも、資材や建材や人件費の高騰ということで、非常に復旧事業が遅れているわけですよ。そういったことで、岩手県の人はですね、「今度東京の都知事さんにはウチの岩手県知事を12年務めた人がなるんですね。あの人は岩手県でですね、巨額の借金を残したのは……、ま、東京はお金があっていいですね」と、こういう皮肉を言ってきましたけども。
私はオリンピック利権に応援されるような候補者を断じて認めてはいけないと。
私は労働大臣としての経験で男女雇用機会均等法を作ってまいりました。このすべての日本のこれからは、男女の賃金格差が30%もあるんですよ、30%も。この30%の格差を是正するということに、すべて、正規・非正規とか、同一賃金労働体系とか、ブラック企業とか、そういった問題、あるいは少子高齢化の問題、また高齢者の老人介護の問題、すべてが起点となるというふうに私は考えております。
低額年金、国民年金5万円の人は、生活保護よりも、その13万円……、5万円ですよ。これを10万円に引き上げる。国民の、都民の税金からじゃなくて、富裕層の高齢者、高収入の高齢者との、いわゆる高齢のシェアリングをすることによって、こうした方々にも安心して暮らせる社会を作りたい。こういう思いでですね、私はあえて立候補した次第です。
ですから、オリンピックに対する利権を断固阻止して、都民の血税を、5兆円を、1兆円でも1兆5000億でも節約すると、そういう都知事をみなさんに選んでいただきたい。私でなくてけっこうなんですよ。そういう皆さんの真剣な選択のなかで、立派な都知事を選んでいただきたいというのが、私のお願いでございます。ありがとうございました。