7月21日にNHK総合で放送されたないとうひさお候補の政見放送の書き起こしです。
東京都知事候補者、無所属、ないとうひさお、59歳。元陸上自衛官、現在会社員。
では、ないとうひさおさんの政見放送です。
都知事候補、ないとうひさおです。
まず、私の目指す東京の姿について、ご説明申しあげます。「自己責任に基づいた真の自由と心あたたかい東京」、これが私の目指す東京です。
自己責任とは、自分でできることは自分でやり、自分で責任を取るということです。今日、日本は防衛、エネルギー、食料という重要な安全保障に関する事項を、ほとんど外国に丸投げして、依存しています。これでアメリカのリンカーン大統領が、「人民の、人民による、人民のための政治」と民主主義を表した政治が実現できているのでしょうか。依存している国に対して、何も言えなくなってしまっているのではないでしょうか。自分のできることを自分でやる。その心を取り戻し、日本人の日本人による日本人のための政治を実現させましょう。
この件に関しまして、集団的自衛権に対して一言申しあげます。人は集団になると、とかく何か大きな力を持ったような誤解をし、思い上がり、周囲を見くだし、横柄で暴力的になるものです。集団的自衛権というものは、このような人間の本性を理解しない机上の空論だと考えます。このようなものが、紛争の抑止力にはならず、逆に紛争を誘発する危険なものであると私は確信しています。
日本は先の大戦で、多くの尊い命を失い、その経験により、70年間に渡って外国と戦争しないという輝かしい歴史を築いてまいりました。このような輝かしい実績を、無駄にしてはならないと私は考えます。そのためには、国連を中心とした国際社会に積極的に働きかけ、国際紛争の解消に先導的役割を果たす。それが日本の進むべき道ではないでしょうか。
中国の紛争解決に対してましても、集団的自衛権では、紛争解決することはできません。先般、フィリピンが国連に提訴したように、国連を積極的に活用し、軍事的な衝突を防ぐ。これが最良の選択だと私は考えます。
次に、心あたたかい東京について一言申しあげます。先般、政治家の長老、または文化人の長老、そのような方々から、社会保障費の件に関しまして、あまり長生きをしてほしくないというような発言が相次いでおります。このようなことは言語道断であります。高齢者というものは、長年生きてきた間に、自分もいろいろ失敗をし、またいろいろな失敗を見てきて、これから先どのような危険があるか、察知する能力があると私は考えております。したがいまして、できるだけ高齢者は長生きしていただき、いまの社会に対して、いろいろ苦言を呈していただく。これがこの先、日本のあたたかい社会、安全な社会を築いていくうえで重要なことだと私は考えております。
思いやりの心を取り戻し、どちらかと言うと、冷たい社会に向かいがちなこの日本を、明るい、心のあたたかい社会に戻していこうではありませんか。
選挙公約に関しましては……、選挙公報をご覧になってください。