2016年参議院議員選挙の争点・論点となっている待機児童問題 / 年金について、各政党が重点政策のなかで掲げている公約を抜粋しました。2014年に行われた衆議院選挙の際の公約と比較しつつ、各政党の政策を読んでみてください。
※2014年衆院選の公約については、民進党は旧民主党、おおさか維新の会は旧維新の党、生活の党と山本太郎となかまたちは旧生活の党、日本のこころを大切にする党は旧次世代の党が2014年に公表した公約から抜粋しています。
【 待機児童問題 】
Photo by Aaron Escobar (CC BY 2.0)
自由民主党
- 保育の受け皿については、平成29年度末までの整備目標40万人分に10万人分上積み(計50万人)し、着実に整備を進めます。
- 待機児童の解消を進め、さらに今後のニーズに対応するため、自治体が設置する保育園等への支援、企業主導型保育事業の積極的展開など受け皿の拡大を図ります。
- 保育士の人材確保対策・処遇改善を行い、保育の質を確保します。
- 病気になった子供等を病院・保育所などの専用スペースで看護師が一時的に保育する病児保育事業もさらに推進します。
- 女性研究者のライフイベントに配慮した研究資金、雇用形態、人事等の柔軟な運用を進めます。「すべての大学に保育所を」を目標に保育施設を整備します。
- 病児・病後児保育の充実や多子世帯支援の強化、高齢世代による子育て支援など世代間の支え合いを広げます。育児休業明けの保育所低年齢枠を拡充します。
- 育児休業の充実にあわせて、1・2歳児保育の受け入れ枠を拡充します。
- 「待機児童解消加速プラン」を展開し、保育需要のピークを迎える平成29年度末までに約40万人分の保育の受け皿を確保し、待機児童解消を目指します。
- 全ての子育て家庭を支援する「子ども・子育て支援新制度」は、必要な予算を確保した上で、来年4月から着実かつ円滑に実施します。
- 1兆円超程度の財源を確保し、「子ども・子育て支援新制度」に基づく子育て支援の量的拡充(待機児童解消に向けた受け皿の拡充等)及び質の改善(職員配置や職員給与の改善等)を図ります。
- 子ども・子育て支援新制度」について来年4月に施行し、保育所・放課後児童クラブの待機児童の解消や保育等の質の改善に取り組みます。
- 大学等における保育環境の整備、研究と出産・育児・介護等との両立や研究力の向上に向けた女性研究者の支援を図ります。
民進党
- 待機児童問題の解決策は、保育士不足を解消することです。全産業平均より約11万円も低い保育士等の月給を5万円引き上げて、「質を確保」しながら「量も拡大」し、子どものための保育を実現します。現政権のように、質を落として子どもを詰め込み、命を危険にさらすような政策はとりません。
- 待機児童の解消、地域の子ども・子育て支援を拡充するため、十分な予算を確保し、幼保を一元化する新制度への円滑な移行を進めます。
- 子ども・子育て支援の予算を増額し、新児童手当等により子育てを直接支援するとともに、待機児童の解消、仕事と育児の両立支援の充実のため、保育所・認定こども園・放課後児童クラブなどを拡充します。
- 質の高い幼児教育・保育等を実現するため、保護者や地域の実情に応じて計画を立て、保育所定員の増員、放課後児童クラブなどの整備、職員の処遇や配置基準の改善等を進めます。病後・病児保育など多様な保育の提供に取り組みます。
公明党
- 待機児童を解消するため、小規模保育や事業所内保育などの新たな受け皿を拡大します。また、賃金引き上げやキャリアアップ支援等の処遇改善、短時間勤務や育児休業取得など保育士が働きやすい環境整備などを通じ、保育人材の確保を進めます。
- 保育士・介護福祉士など介護従事者・障害福祉サービス等の従事者といった今後の福祉人材の確保のため、待遇改善や専門性の確保など総合的な取り組みを進めます。
- 保育人材や介護人材など潜在的な有資格者の再就業促進を図るため、福祉人材センターにおける支援体制を強化します。
- 2015年4月から予定されている「子ども・子育て支援新制度」を確実に実施し、仕事と子育ての両立を支援します。そのため、「待機児童解消加速化プラン」を踏まえ、約40万人分の保育の受け皿を確保し、可能な限り早く待機児童を解消します。
- 幼稚園と保育園の良さを併せ持つ「認定こども園」の普及とともに、子どもを一時的に預かってもらう場(一時預かり)や放課後児童クラブの充実に取り組みます。あわせて、保育士・幼稚園教諭の処遇改善を図り、働き続けられる環境整備に取り組みます。
共産党
- 30万人分(約3000カ所)の認可保育所を緊急に増設します。
- 国・自治体が先頭にたって公立保育所を増設します。
- 国による新たな財政支援の制度を創設して、保育所の建設・分園設置・改修などを補助し、廃止された運営費の国庫負担分を復活します。
- 認可保育所の建設に国有地を無償供与するなど、用地確保を国が支援します。
- 地域の保育ニーズと待機児童の実態を、自治体と国がつかみ、対策をすすめます。
- 保育士の賃上げ、配置基準の見直しで労働条件を改善します。
- 野党共同で提出した保育士賃上げ法案(月額5万円アップ)を成立させ、さらに 5 年間、毎年、月額1万円の賃金アップをすすめて、合計10万円の賃上げをはかります。
- 保育士の配置数の適正化と国の運営費(公定価格)の引き上げで、保育士の労働条件を改善します。保育士の専門性にふさわしい処遇にします。
- 非正規の保育士の「使い捨て」をやめ、正規雇用化をすすめます。
- 認可保育所の大幅増設で待機児童をゼロにします。「詰め込み」や営利企業への「丸投げ」など保育内容の切り下げに反対します。
おおさか維新の会
- 認可保育所設置基準を原則として条例で決められるようにする等の分権化を徹底するとともに、規制改革により保育サポーター制度の導入、保育士要件の多様化、家庭的・小規模保育事業の拡大(安全確保のうえ、ICT技術を利用したマッチングも導入)を図る。
- 社会福祉法人と株式会社のイコールフッティング。社会福祉法人の株式会社移行や法人廃止時の残余財産の分配を認める一方、非課税制度を見直す。
- 社会福祉法人の「一法人一会計化」制度導入。
- 地価等に応じた、地代・家賃の運営費補助。
- 保育士給与に関する官民格差の是正と、正規・非正規職員間の同一労働同一賃金。私立保育園と無認可保育施設の保育士の処遇を大幅改善。
- 保育バウチャー導入。保育を含む幼児教育の無償化を憲法に規定する。
- 記載なし
社会民主党
- 保育の質の向上と量の拡大を車の両輪ですすめ、「待機児童ゼロ」を実現します。公有地等の活用などもすすめながら、認可保育所、認定子ども園を大幅に増やします。障がい児保育、病児保育、一時保育などの体制も整備します。
- 保育士等の給与を当面月5万円引き上げるなど、保育・幼児教育従事者の待遇改善を図り、人材養成・人材確保をすすめます。
- 保育所・認定こども園・幼稚園の質の向上と量の拡大を実現。国有地や空き教室などの活用で保育所を大幅に増設し、待機児童対策を推進。
生活の党と山本太郎となかまたち
- 保育士育成を充実させ、公的支援と民間活用に厚みをつけ、保育園待機児童ゼロを目指します。
- 記載なし
日本のこころを大切にする党
- 保育士への支援拡大
- 記載なし
新党改革
- 待機児童解消のための幼稚園・保育園の増設、費用の無料化の検討を通じて、保育士、介護士等の働く環境の整備や給料引き上げなど、その高い社会的役割に応じた改善を行います。
- 私たちは、保育士、介護士、看護師の方々に対する叙勲の面でより高い社会的評価が必要と主張してきました。
- 待機児童解消のための幼稚園・保育園の増設、費用の無料化の検討を通じて、バラマキ政策ではない、少子化対策の再構築を図っていきます。
【 年金 】
自由民主党
- 記載なし
- 基礎年金の2分の1国庫負担は確立されており、その下で、若者も安心できる年金制度を運営します。
民進党
- 年金の減額により、老後の生活が脅かされています。消費税引き上げを待たずに来年4月から低年金者の年金をかさ上げ(年間最大6万円増)するとともに、年金受給に必要な保険料支払い期間を25年から10年に短縮します。
- 現政権は、140兆円にのぼる厚生年金と国民年金の積立金運用について、株への投資を倍増させました。その結果、初年度で5兆円も運用損を出したと推計されています。そのような現政権の年金運用を改め、株への投資を減らし、安全な運用に切り換えます。
- 少子高齢化・人口減少、非正規雇用が増加する中で、国民皆年金を堅持し、高齢者の生活保障を確保できるよう、公的年金制度の一元化、最低保障年金の創設に向け年金制度改革の実現をめざします。
- まずは、低年金者への給付の確保、被用者年金のさらなる適用拡大をめざします。
- 年金積立金の運用は、被保険者の利益、確実性を考慮し、株式運用倍増をやめ、堅実で最適の運用をめざします。
- 税金と医療・年金の保険料、雇用保険の保険料をまとめて扱う歳入庁を設置します。
公明党
- 年金の受給資格期間を25年から10年に短縮し、今まで年金を受給できなかった人も、保険料を10年間納めていれば年金が受け取ることができるように推進します。
- 低年金者への福祉的な措置として、最大月額5000円(年6万円)を支給する「年金生活者支援給付金」の早期実施を目指します。
- さらに、同給付金の実施状況等を踏まえ、さらなる拡充を検討するとともに、障害基礎年金の加算など所得補償の充実に取り組みます。
- 社会保険における格差を是正するため、2016年10月から開始される被用者年金の適用拡大について、さらなる拡大を図ります。
- 低所得の年金受給者に事実上の年金加算となる「福祉的な給付」が実施されることを踏まえ、より一層の拡充による低年金対策に取り組みます。その際、あわせて障害基礎年金の加算など所得保障をより充実させます。
- 社会保険における格差を是正するため、2016年10月から開始される被用者年金の適用拡大について、さらなる拡充を図ります。
共産党
- 年金削減をストップし、低年金を底上げして、“減らない年金・頼れる年金”を実現します。最低保障年金制度をめざします。
- 年金削減をストップし、低年金を底上げして〝減らない年金・頼れる年金〟を実現します。最低保障年金制度をめざします。
おおさか維新の会
- 高齢者雇用の創出を図った上で年金の支給開始年齢を段階的に引き上げる。
- 公的年金制度は払い損がなく世代間で公平な積立方式へ移行する。
- 公的年金制度において、原則として、同一世代の勘定区分内で一生涯を通じた受益と負担をバランスさせる。
- 高齢化で増える相続資産への課税ベースを拡大、年金目的特別相続税を創設する。(相続金融資産20兆円、税率10%と仮定すれば税収2兆円)。
- 高齢者向け給付を適正化する。高齢者雇用の創出を図った上で年金の支給開始年齢を段階的に引き上げ、医療費の自己負担割合を一律とする。年齢で負担割合に差を設けるのではなく、所得に応じて負担割合に差を設ける。
- 公的年金制度は払い損がなく世代間で公平な積立方式へ移行する。
- 公的年金制度において、世代別勘定区分を設置する。原則として、同一世代の勘定区分内で一生涯を通じた受益と負担をバランスさせる。
- 高齢化で増える相続資産への課税ベースを拡大、年金目的特別相続税を創設する(相続金融資産20兆円、税率10%と仮定すれば税収2兆円)。
社会民主党
- 低所得の年金生活者に対する支援策に取り組みます。最低保障年金制度をつくり、低年金・無年金を防止します。
- 基礎年金について、マクロ経済スライドによる調整を中止します。
- 国民の年金積立金をリスクにさらす株式運用比率の拡大を止めさせます。
- だれもが安心して老後を迎えられるよう、最低保障機能を備えた年金制度を創設します。廃止された老年者控除や縮小された公的年金等控除を復活します。
- 基礎年金には年金を目減りさせるマクロスライドをかけないように法律の改正を求めます。
- 重い保険料負担を軽減できるよう、非正規労働者に対する社会保険制度の適用を拡大します。
- 公的年金の積立金は、被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ確実な運用を堅持します。
生活の党と山本太郎となかまたち
- 年金を一元化し、誰もが将来に備えられるわかりやすい制度に改めます。
- 最低保障年金のあり方を含め、生活をしっかり支えるベーシックインカム制度の導入を進めます。
- 最低保障年金と所得比例年金の構築により年金制度の一元化を図ります。
日本のこころを大切にする党
- 高所得者、高資産家等への年金、医療費の負担の適正化を図る。
- 持続可能な制度とするため、公的年金を積立方式へ移行
新党改革
- 「年金通帳」で信頼される年金制度を確立します。
- 荒井代表は12年前より、毎月納付した保険料の額と、もらえる年金額を記載した
- 「年金通帳」を提案してきました。いつでも記帳して、将来もらう額を確かめることが出来る通帳はマイナンバー利用以上に安心感がでます。
- そして何より払った分の1.5倍以上受け取れることを約束する「年金通帳」で、信頼できる年金制度の確立を目指します。毎月納付した保険料の額と、もらえる年金額を記載した「年金通帳」を提案してきました。いつでも記帳して、将来もらう額を確かめることが出来る。そして何より1.5倍以上を約束する「年金通帳」で、信頼できる年金制度の確立を目指します。
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