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【都知事選2016】鳥越俊太郎候補 街頭演説第一声 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2016年7月15日

7月14日に新宿駅東南口で行われた鳥越俊太郎候補の街頭演説第一声の書き起こしです。

ニコニコ生放送:http://live.nicovideo.jp/watch/lv269522180#10:50


皆さん、この暑いなか、お集まりいただきましてありがとうございます。今回、都知事選に立候補させていただきました鳥越俊太郎です。鳥越俊太郎です。2度言いましたけど。

おわかりいただいていると思いますが、今回はさまざまな支援団体や、都民の皆さんからのご支援を受けて、出ることを決断いたしました。少し出馬決断に至る経緯をこの際ですから申し上げておきますと、私がかねがね一番大事に思っているのは、日本の社会は近代市民社会というのは、私たちのこの自由な近代市民社会というのは、一番何が大事かというと、国民都民一人ひとりが汗水流して垂らして働いて、そして得た報酬のなかから給料のなかから、税金というかたちで都の運営、都議会の運営のために、お金を税金というかたちで出しております。で、この税金が果たしてちゃんと使われているかどうかということを、実はあまり出したほうも、それから受け取ったほうもあんまり意識していない。これは日本全体の、そして東京都もそうですけど、納税者意識という点でいうと希薄なところがあります。その典型的な例が、舛添さんの問題ではなかったんではないでしょうか。舛添さんはもし私たち、皆さん方一人ひとりがちょっと痛い思い、つらい思いをしながら財布のなかから税金を納めた。その税金を、その税金1つ1つと、税金を全体としては何十億、何千億というお金ですけど、その1つ1つはみんな都民一人ひとりの汗と努力の結晶じゃないですか。それを舛添さんは使うときに、海外出張のときに軽々と何も考慮することもなく、ファーストクラスで行きました、これいいですか? こんなことでは、税金を払ってる側として許せますか? 許せない! ホテルでは何万円もするスイートルームに何日も泊まって、税金をどんどん無駄遣いしている。

つまりここには舛添さんの問題というのは、実は、私たちの税金をどれだけちゃんと正しく受け止めて使っているかという、こういう問題が横たわっている。そのことが今回の選挙の大前提ですよ。この大前提を皆さん、忘れないでください。私たちが、選挙の投票に行く。参議院選挙、この間ありました。参議院選挙のときに、残念ながら投票率はいまひとつでしたけど、ああいうときに皆さんが投票に行く、投票所に行くときのモチベーションは何ですか? 動機は何ですか?

政治参加という言葉があります。政治参加というのは綺麗事ではないんです。実は自分たちが税金を出して、みんな東京を、参議院の場合は参議院、東京都知事の場合は都知事、東京都議会の場合は都議会議員に対していろんな仕事を委託しているわけですよね。この税金を使って東京都をちゃんとやってくださいよ、というふうにお願いをしている。ところがそれを受け取ったほうが全くそういう皆さんの気持ちを受け取っていなくて、かなりいい加減に使っている。この問題が、今日、都知事選をやらなければならなくなった出発点です。この出発点を皆さん忘れないでいてください、いつまでも。

納税者意識というのは、私たちも必要なんです。それから、それを受け取って、仕事をする都知事や都議会の皆さんや、議会と、行政の皆さん方がちゃんと考えなきゃいけない。だけどそれが希薄になっている。その問題はずっと私は考えていまして、このままではダメだろうということで、私もそんなに簡単に――私は1965年、昭和40年から、新聞記者となり報道の現場をずっと歩いてきた人間です。したがって、こういう選挙という、いわば当事者ですね、インサイダーと言いますけど、インサイダーになる気はなかったんです。私はずっと常にアウトサイダーとして、事実は何なのか、真実は何なのかを見極めて、それを皆さんにお知らせしたいということで仕事をしてまいりましたけれども、今回はもうアウトサイダーを気取っているだけでお前いいのか、という気持ちが私のなかに芽生えました。そして、このままではやはり、自分が人生の最期を迎えるときに後悔するんではないか。悔いのないように生きたいということで、都知事選への出馬を決意しました。したがってこれは、どっかの団体、政党からぜひ出てくれという、打診を受けて出たわけではありません。私は自分の意志で決めたんです。そのことを皆さん、ぜひわかっていただきたい。

それくらい、私のなかに東京都政の、もっと東京都政を一部の人のものではなくて、東京都民みんなに都政を取り戻す。ここにいる皆さんが手に掲げているプラカード持ってらっしゃる。もう一回上げてください。「みんなに都政を取り戻す」――その気持ちを私は強く思って、なんとかしてこれは、都知事選挙に出てみようと決断して、いろんな団体、政党等の支援を受けるというかたちに結果的にはなりました。皆さん方の熱いお心遣い、ご支援の気持ちということには、深く深く、感謝をしております。

そして、ここにいらっしゃる方、皆さん方のようにおそらく、おそらくですよ、おそらく私を……支援してくれますよね?(笑)。支援してくれる皆さん方、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。できるだけ、皆さんの期待に応えるようにがんばっていきたいと思いますが、私は先ほど申し上げましたように、報道現場をずっと51年間、歩いてまいりました。その間、管理職というような人の上に立つような仕事はしていません。常に地面をはって、事実は何か、真実は何かということを、掴み取り嗅ぎ分けて、そしてそれを皆さんにお伝えする仕事をしてきました。したがって、今回もですね、都知事に立候補するにあたって、やはり東京都で何が問題になっているのか。そのことをきっちりと自分なりに見極めて、そしてそれを変えていく。みんなに都政を取り戻すような、新しい都政を作っていく。そういう仕事をしたいなと思っております。それは私の報道現場一筋という仕事からしても、一番私は、私にふさわしい仕事であろう、私に課せられた仕事であろうというふうに思っております。

ここで私は、3つの大きな枠組みで、3つの話をしたいと思います。私は、スローガンとして、「住んでよし、働いてよし、環境によし」というこの3つの「よし」という東京都を実現していきたいなと思っております。

「住んでよし」というのは、東京都というのは大変可能性を秘めた、そして、さまざまないろんな方が住んでらっしゃる。いろんな能力を持ち、そして同時にいろんな問題も抱えて、困窮のなかにある方、差別のなかにある方、さまざまな方がいらっしゃいます。こういう人たちにとって、東京都は実は行政が、ちゃんと手を加えていけば、本当は一番、全国でも一番住みやすい街である、というその希望の街である。そういうふうに思っております。昨日、実は、立候補を表明しておられました宇都宮さんと話をしました。1時間弱でしたけれども、話をしました。そして、お互いに率直に心の内、胸の内を打ち明けて話をしました。

最後に、雑談のなかでね、宇都宮さんがチラシに使ってあるキャッチコピーというのがあるんですが、それをお互いに見てまして、宇都宮さんの側近の方が「このキャッチコピーいいでしょう?」みたいな話があって。僕がそれを見て、これいいな、ということで、もし、そういう事態、というのは、宇都宮さんがもし出馬を取りやめるようなことがあったら、という前提ですけども、そういうことがあったときには、このコピーはちょっと使わせてもらっていいですかと。どういうコピーかといいますと「困ったを希望に変える東京へ」。これはね、なかなかいいキャッチコピーなんですね。困った、つまり住んでても困ったってことがいっぱいある。その困ったを希望に変えていく。そういう東京でありたいという、これはなかなか僕もこれは名文句である、名キャッチコピーであると思いまして、使わせてもらえれば、使わせていただいていいですかと。そしたら、宇都宮さんサイドも、ああいいですよと。ということで、これから出てくるチラシなどには、そのキャッチコピーが出ていると思います。

まさにそれなんです。「住んでよし」と言いましたけど、実は住んでていろんな問題を私たち東京都民は抱えているんです。先ほど言いましたように、第一の問題としては、格差の問題があります。必ずしもみんなが豊かではない。貧困率は、一定程度東京都も貧困のなかにあります。みんながお金持ちであるわけではない。ほどほどの生活をして苦しいなかで生活をやりくりしている。でも、生きているんです。人間ですから。やっぱり、住んでいい、というようになりたいじゃないですか。そういう「住んでよし」という街に、なんとかして私がもし、都知事に選ばれることがあれば、東京に住んでよかったなぁ、というふうな街に絶対に変えてみせます。いかがですか。

<歓声>

はい、これが「住んでよし」!

それから2番目。「働いてよし」。これは皆さん東京都民の皆さんはいろんなかたちで働きながら、仕事をしながら生活をしてらっしゃいます。しかし、仕事のなかで、先ほど申し上げましたように、必ずしも給料が十分ではない。最近は本当にどんどん、安倍政権のもとで格差が生まれています。非正規の仕事をしている人たちは、いま全国平均で4割になっていますよね。東京だって変わりない。非正規の人たちがどんどん増えている。非正規が多くなったということは、ひとりひとりの収入がそれだけ下がっているということなんです。それをですね、やっぱり考えて、変えていかなきゃいけない。そういうさまざまな、働いてもちゃんと「働いてよし」と思える東京都。そういうものをぜひ、皆さんと一緒に、僕は皆さんの声を聞きながら、1つ1つ、だから皆さん、全部、もし私が東京都知事になったら、黙ってないで、こういう問題あるよ、これ聞いてくれ、っていうね、そういう声を聞かせてください。私の最大の長所は聞く耳を持っているということなんです。皆さんの、声に傾ける。おそらく舛添さんは持っていなかった。猪瀬さんも持ってなかった。石原慎太郎さんはもっと持ってなかった。ここでもし、皆さんのご期待に添えて当選することができれば、初めて東京都民に耳を傾ける知事が出てくると思ってください。

そして、3番目。「環境によし」。環境に良しというのは、東京都がですね、非常に住んで環境にもやさしい東京である。緑が多くて、できたら、緑のなかで、非常にゆったりと暮らしていける。素晴らしい環境に。それから環境にもいいということですから、東京都が環境を傷めつけて、環境をいろいろ悪化させていくような状況では困る。そういうことも考えたいと思います。

いずれにしろ、私は今日、第一声をここで上げたわけですから、これから30日間の……、30日じゃない、2週間の選挙戦に入ります。ぜひこれからは皆さんとともに、私は皆さんの側に立って戦います。ぜひ、皆さんのご協力を必要とします。どうですか、皆さん。一緒に新しい東京を作っていこうではありませんか! 新しい東京をみんなで取り戻しましょう!

皆さん、また、こうやってお会いすると思いますけど、ちょっと暑いんでね、熱中症も心配されますので、全部身体のケアを忘れないでください。それは私の第一声はこれにて終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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