10月13日にNHK総合で放送された自由民主党の衆議院比例代表選出議員選挙政見放送の書き起こしです。
自由民主党の政見放送です。お話は、自民党総裁・安倍晋三さんと、参議院議員の三原じゅん子さんです。
三原:自由民主党参議院議員の三原じゅん子です。本日は安倍総理、よろしくお願いいたします。
安倍:よろしくお願いいたします。
三原:今回の選挙、ずばり何を問う選挙なんでしょうか。
安倍:いま、日本は2つの大きな課題に直面しています。1つは「北朝鮮の脅威」。そしてもう1つは「少子高齢化」です。いかにして国民の命と幸せな暮らしを守り抜くのか。いかにして子供たちの未来を切り拓いていくか。この選挙は日本の未来を決める選挙です。
三原:北朝鮮のミサイル発射や核実験に国民の皆様が不安を感じておられます。安倍総理は米国のトランプ大統領と何度も電話会談を行い、プーチン大統領とも信頼関係を作り上げるなど、積極的な外交を展開してこられましたね。
安倍:北朝鮮にその政策を変更させなければならない。そのためには、国際社会が一致団結し、圧力を高める必要があります。私はロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席とも直接話し合い、日本の立場に理解を得ました。そして、国連安保理でこれまでにない厳しい制裁措置が全会一致で採択されました。
三原:思い出すのは2月の総理訪米の時、北朝鮮がミサイルを発射した。その直後、安倍総理とトランプ大統領が二人並んで毅然とメッセージを発したことです。
安倍:あの時、フロリダの大統領の別荘で、私たちは1日かけて北朝鮮情勢を始め、世界の様々な課題を語り合いました。その後、夕食の時に、ミサイル発射の一報が入った。私が記者の取材に答えるため、「席を外します」と申し上げたら、トランプ大統領が「晋三、一緒にいくよ」と言ってくれたんです。そして「米国は100%、日本と共にある」、こう力強く語ってくれました。
三原:アメリカの大統領とここまでの関係を築いたのは、安倍総理が初めてだと思います。先月の国連総会スピーチでは、拉致被害者の横田めぐみさんにも言及してくれました。
安倍:世界が注目する米国大統領の国連演説です。本当に嬉しかった。直後の日米首脳会談でも、拉致問題の解決に共に協力していくことで完全に一致しました。
三原:拉致、核、ミサイルの問題を、何としても解決しなければならない。そのためにも、安倍総理とトランプ大統領の深い信頼関係、強固な日米同盟が欠かせません。
安倍:一昨年、三原さんも一緒に、私たちは平和安全法制を成立させました。互いに助け合える同盟は、その絆を強くします。この法律ができたことで、北朝鮮の問題にも米軍と自衛隊はより緊密に共同訓練などを行えるようになりました。
三原:当時、民主党の皆さんは憲法違反だと叫んで、徹底抗戦しました。政党の看板が変わり、手のひらを返した人たちもいて、同じ政治家としてこれには唖然とします。他方で、未だに廃止を訴える人たちもいます。
安倍:廃止なんかしたら、日米の信頼関係は大きな打撃を受けます。北朝鮮情勢が緊迫するなか、本当に無責任な理論です。来月にはトランプ大統領が来日します。APECや東アジアサミットなどの国際会議もあります。北朝鮮を巡る情勢は一層緊迫しているかもしれない。私がこの選挙で国民の皆様から信任を得て、「力強い外交を展開する」。この国を守り抜く決意であります。
三原:急速に進む少子高齢化への対応も待ったなしですね。
安倍:子供たちに大胆に投資していきます。幼児教育の無償化を一気に進める。経済的に恵まれない家庭の子供たちでも頑張れば、私立学校、大学に進学できる。真に必要な子供たちに「高等教育の無償化」も進めます。
三原:幼いころ、私の家はたいへん貧しかった。それでも多くの人に助けられていまがあります。本当に感謝しています。同じような境遇の子供たちに高等教育を受けるチャンスを作りたい。これはまさに政治の役割だと思います。しかし、そのためには財源が必要ですね。
安倍:今回、消費税の使い道を見直すことを決断しました。税収の多くが借金返済に回されることとなっていましたが、これを見直し、子育て世代、そして子供たちの未来に投資し、「全世代型の社会保障制度」 へと展開していく。国民の皆様から信を得て、この大改革を進めていきます。
三原:選挙は政策を競い合う場です。しかし今回は突然政党がなくなったり、新しい政党が生まれたりと、政策そっちのけの離合集散ばかり。わかりにくい選挙です。
安倍:これまでたくさんの政党が生まれては消えていった。2009年にも民主党ブームがあった。三原さんが初当選したのは、その翌年でしたよね。
三原:その通りです。当時の民主党政権は子供手当とか耳障りの良い政策を並べ、財源も無駄遣いを削ればなんとかなるといった無責任なことばかり言っていました。民主党ブームがもたらしたのは、混乱と経済の停滞ではなかったでしょうか。
安倍:未来を切り拓くのはブームではありません。政策なんです。5年前、政権を奪還し、アベノミクス、3本の矢の政策によって、日本経済はマイナスからプラス成長へと大きく転換しました。雇用は185万人増えた。この春、高校・大学を卒業した若者の就職率は過去最高レベルとなりました。
三原:若者に働く場所を作る。政治の最大の責任ですね。
安倍:若者たちが自らの力で未来を切り拓くことができる。これこそが夢ある日本ではないでしょうか。
三原:結びに、国民の皆様へのメッセージをお願いします。
安倍:私たちはここで立ち止まるわけにはいきません。国民の命と幸せな暮らしを守る。子供たちの未来を切り拓く。私たちは自公連立の安定した政治基盤の上に、この国を守り抜く決意であります。どうか私たち、自由民主党に大きな力を与えてください。小選挙区では自由民主党の候補を、そして比例代表は自由民主党、自民党をよろしくお願いいたします。
自由民主党の政見放送でした。