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【総選挙2014】日本記者クラブ主催「党首討論会」書き起こし その1(各党の訴え)

  • ポリタス編集部
  • 2014年12月3日

2014年12月1日月曜日、日本記者クラブ主催により開催された党首討論会。自由民主党・民主党・維新の党・公明党・次世代の党・日本共産党・生活の党・社会民主党の党首が一堂に集まり様々な議論が行われました。討論会の模様は、YouTube・ニコニコ生放送・Ustreamで生中継されました。

YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=h3in9AKCxxU ニコニコ生放送:http://live.nicovideo.jp/watch/lv201490176 Ustream:http://www.ustream.tv/recorded/56011172

討論会は第一部で各党の基本的主張そして党首同士の討論が行われ、第二部では日本記者クラブの企画委員による質問に各党首が答えるかたちで党の意見を述べました。

ポリタスでは各党の主張が詰まったこの討論会を文字起こししました。

◆第一部 各党が最も訴えたいこと

川戸:ではただいまから、日本記者クラブ主催の党首討論会を始めます。私は進行役をつとめます、企画委員の川戸恵子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、党首の皆さんをご紹介いたします。皆さんからご覧になって、左から生活の党の小沢一郎代表、次世代の党の平沼赳夫党首、維新の党の江田憲司代表、自由民主党の安倍晋三総裁、民主党の海江田万里代表、公明党の山口那津男代表、日本共産党の志位和夫委員長、そして社会民主党の吉田忠智党首でございます。今日の討論会は一部と二部の二部構成で行います。第一部は党首の皆さんによる主張と討論です。そして、第二部では、会員から寄せられました質問を参考にして、4人の企画委員が党首を指名いたしまして、代表質問をいたします。それでは、島田企画委員の司会で、第一部をはじめていただきます。島田さんよろしくお願いします。

島田:はい。企画委員の島田敏夫です。よろしくお願いします。早速ですが、最初にですね、各党の基本的な主張ということで、今回の衆議院選挙で最も訴えたいこと、というのをお聞きしてまいります。先ほど事前に、ボードにお書きいただいていますので、そのボードをですね、右肩の前に示して、お話をしていただきたいと思います。今日のこの発言時間、お1人1分以内ということになっています。発言時間の管理は皆さんの前に見えます、このランプ。このランプで行いまして、このランプは話し始めて50秒経つと点滅を始めます。そして1分経つと付きっぱなしになる。ですから、この点滅している間に着地の一言を考えていただいて、決めていただくというのが、基本であります。よろしくお願いいたします。順番は衆議院のですね、国会での勢力順に、最初のご発言一巡をお願いしたいと思います。最初は自民党の安倍総裁です。安倍さん、ではボードを掲げながら、お願いいたします。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

安倍:はい。2年前、この場所で日本を取り戻す、わたくしはこう申し上げました。あれから2年。みんなで頑張って、東京に、オリンピック・パラリンピックがやってくることになりました。2020年に大きな目標ができた。いま、雇用は改善しています。給料が上がり始めています。15年苦しんだデフレから、やっと脱却できる。そのチャンスを私たちはつかみました。東北の復興、全力をあげています。そして、日本人の命を守り、領土、美しい海を守るための安全保障法制も進めていきます。それぞれまだ道半ばではあります。しかし、この道しか無い。この確信のもとに、今後、全力でこの道を前に進んでいく決意であります。どうぞ皆さま、よろしくお願いを申し上げます。

島田:はい。では続いて民主党の海江田代表です。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

海江田:はい。民主党政権の3年3カ月、経済の規模は5%拡大しました。安倍政権になって2年間で1.7%です。どちらが経済を好転させたかはお分かりだと思います。そして、安倍政権の経済政策がこのまま続けば、円安による物価高。そして、格差の拡大です。私たちは人への投資を厚くします。雇用の安定。子育て世代の支援。そして、老後の安心。この3つを軸に、消費を拡大することを通じて景気を好転させます。そして集団的自衛権の行使容認、特定秘密保護法、国民の声を聞かずに安倍政権、強引に押し進めています。この強権政治をこのままこれからさらに4年間続けるのか。それとも、その方向性を変えるのか。私たちは今こそ流れを変える時だと思っています。生活者に寄り添い、そして中小企業、そして地域の声をしっかり聞く。民主党、どうぞよろしくお願い申し上げます。

島田:続いて、維新の党の、江田代表です。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

江田:維新の党は身を切る改革の断行です。今、国民の思いは与野党とも政治不信だと思いますよ。国会議員の定数削減、約束も果たさないまま解散された。さらには政治とカネの問題、陸続と起こりましたね。今各党は、立派な公約を並べていますけどね、どの党が信用できるのか。われわれは率先して議員が身を切る。国会議員の定数3割カット。給与3割カット。国家公務員・地方公務員、25兆円の人件費2割カットで5兆円を出します。大阪で何が起こったか。橋下さんが府知事になって議会を多数占めた。府議会議員の定数は109から88、20人以上減りました。府議会議員の給与も、3割カットです。こうした維新がやったことを、ぜひ、国政でやりたい。そして、維新こそが、本当の改革ができるんだということを、国民の皆さんに信じていただくために、最後の一分一秒まで、訴えてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

島田:公明党、山口代表です。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

山口:はい。先ほど安倍総裁がおっしゃられたように、われわれは与党で経済再生を進めてまいりました。景気の経済の好循環が生まれ、景気は回復しつつはある、とはいうものの、道半ばであります。これから大事なことは、景気回復を国民の皆さまに実感していただくことであります。われわれは、それをしっかりと進めてまいります。そして消費税を10%に上げる際には軽減税率の導入を目指します。広く消費者の皆さんが負担感をやわらぐ、これを実感していただける軽減税率の導入が必要です。国民の皆さまの後押しが必要です。どうぞ公明党によろしくお願いいたします。軽減税率実現を目指す公明党です。

島田:はい。次世代の党、平沼党首です。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

平沼:私どもは、野党でございますけれども、ともすると野党は、与党の言うことに全部反対をいたします。そうじゃなくて、日本のためになることだったら、私どもは賛成をし、ダメなことは断固ダメだと。こういうふうに主張していく。そういう政党を目指しているわけであります。私は、アベノミクスの前半は、評価をいたします。また集団的自衛権の確立も、私どもは評価してます。さらにまた原子力発電所、安全性を担保してこの先活用する、このこともわれわれは評価しているわけでありまして、こういったことに関しては、私どもは大いに力を合わせていかなければならないと思っております。是は是、非は非でやっていくのが次世代の党でございます。よろしくお願いをいたします。

島田:共産党の、志位委員長です。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

志位:日本共産党は、安倍政権の暴走ストップ、日本の政治の5つの転換を訴えて、この選挙を戦います。第一に、消費税10%は中止し、富裕層や大企業に応分の負担を求める消費税に頼らない別の道で財源を作ります。第二に、格差拡大のアベノミクスストップ。国民の暮らし第一で、経済を立て直します。第三に、海外で戦争する国づくりを許さず、憲法9条の精神に立った外交戦略で平和と安定を築きます。第四に原発再稼働ストップ。原発ゼロの日本への転換です。第五に沖縄の米軍新基地建設は中止し、基地のない平和で豊かな沖縄を作ります。日本共産党が伸びれば、日本の政治は必ず変わります。どうかよろしくお願いいたします。

島田:生活の党、小沢代表です。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

小沢:われわれ生活の党は、国民の生活が第一、という政治理念を掲げて活動してまいりました。従いまして自由競争、市場経済を優先するアベノミクス、安倍政権の考え方とは、基本的に異なります。例えば、雇用の問題でも、非正規雇用はすでに40%ですが、これを政府は一層拡大しようとしております。しかしそれでは働く人たちの生活が、安定いたしません。私どもは当面少なくとも同一労働同一賃金ということを実現しなければならない。そうしなければ、個人消費も増えない。景気は良くならないと思います。また農業につきましても、今、米価が急落いたしまして、生産農家が非常に意欲を失っております。このような農業を食糧自給のためにも戸別所得補償制度を導入する。そういうセーフティーネットをいろんな分野できちんと充実して国民生活を安定させることを目的といたしております。

島田:社民党。吉田党首です。


photo:【衆議院選挙2014】党首討論会(日本記者クラブ)より

吉田:今回の衆議院選挙は、国民に背を向けた安倍政権の政治そのものを問う選挙です。社民党は、世界一企業が活動しやすい国にするためのアベノミクスによる生活破壊を許さず、家計への支援を最重点に、雇用と所得の安定を実現します。戦争ができる国に向かう集団的自衛権行使、そして特定秘密保護法に反対し、平和憲法を守り抜きます。原発再稼働を許さず、脱原発を実現するために全力をあげます。TPPへの参加に反対し、農林水産業と地域を守ります。平和と福祉はやっぱり社民党しかありません。平和・自由・平等・共生をかかげる政党、社民党にぜひ衆議院で仕事ができる議席を与えてください。どうぞよろしくお願いします。

(「党首討論会」書き起こし その2へ続く)

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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