ポリタス

  • 論点

【参院選2019】労働の解放をめざす労働者党 政見放送 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2019年7月16日

2019年7月8日にNHKで放送された労働の解放をめざす労働者党の参議院比例代表選出議員選挙の政見放送の書き起こしです。


労働の解放をめざす労働者党の政見放送です。お話は、党代表・林紘義さんと、神奈川県支部長・菊池里志さんです。

林:有権者の皆さん、私たちは帰ってきた労働者党であります。帰ってきたというのは、今から30~40年前、一時期、労働者党を作りまして、国政選挙に参加した時代があったからであります。

その時代には、私たちは未熟でもあり、あるいは供託金などの重しに負けまして、挫折しました。サークルなどで活動を継続し、組織をあげて資本論研究会などにも熱心にやってまいりました。数年前から、時代の状況とかいろいろ考えまして、もう一度やろうということで皆にはかりまして、一昨年の春、新しい労働者党を再建しました。その年の秋の総選挙に初めて復帰第1戦を戦いました。

今回参院選は、第2回で議員を目指して戦うということを確認し、全国に参加するために、10名の候補者を立てました。比例区4人、私は党の代表でありますが、比例区候補であります。こちらの菊池さんは、神奈川で高校の教員として、あるいは組織の一員として長く活動してきた方であります。今回、2人とも比例区ですが、あと2人の比例区についてはのちほど皆さんにご紹介したいと思います。

今の政治経済情勢を見まするに、私たちの年代は非常に大きな危機意識を持っております。もう一度、戦前のような専制的な体制になるんじゃないか。あるいは、戦争戦争に明け暮れるような時代になるんじゃないかと、そういう危機意識すら覚えます。

安倍政権はもう、7年ほども続いております。最初から非常に大きな危惧を抱きました、危機意識を抱きました。7年間の時代を見ましても、経済が再建したなどと言っておりますが、実際にはかえって衰退とか、二流国への転落とか、あるいは経済的にもどんどん中国やアメリカや新興国に遅れをとるとか、そういう国家になってきております。アベノミクスがそれを克服したかといいますと、7年間をとってみても、バラマキ政策で基本的にやってきましたから、良くなるはずがありません。表面では何とか言っておりますが、実際にはますます悪くなってきているというのが私たちの印象です。

政治的にも、森友・加計学園のような退廃や、軍国主義や国家主義や、自国ファースト主義がはびこってきました。みんな、労働者、働くものが憂慮すべき時代になってきていると思います。この参院選でも、安倍は、安倍首相は、消費税増税とその他の人への偏向をうたっております。消費税増税自体が問題ですけれども、それを乳幼児教育とか、全世代型社会保障の寄与に転用するというのは、私たちに言わせれば、結局は選挙目当てのばらまきじゃないかと思っております。経済再建とか、財政健全化とか、もうそっちのけであります。そういう意味で、私たちは安倍の、首相の消費税増税の転用はやめたほうがいいと思っています。菊池さんはその点、どんなふうに考えられますか。

菊池:そうですね、現在の世界を見渡してみますと、どこの国でもそういう何というんですか、財政膨張というのか、財政拡張というのか、バラマキ政治ですね。これは国家予算のことを顧みないでそういうことをやっている国々ばっかりなんですね。日本でも、国家の借金というのは1100兆円くらいに達してますけれども、こういう状態を続けていってね、これは確かに人気、人受けが良いんですけれども、こういうことばっかりやっていますと、これはまぁ、行き先どうなのかと。要するに、ちょっとした利子率の変動でですね、国債だって何十兆円というような借金がまた増えていくわけですよね。

そうしますとこれどうなるかというと、やっぱり戦後日本が国債の暴落とか紙幣の暴落でもってですね、国民がまぁ塗炭の苦しみをなめたわけなんですけれども、そういうような恐れがまた来ないとも言えないですね。もう全く国民の生活破壊という現実をですね、これは実際に最近のギリシャなんかでもそういう例がありますから、そういうことを非常に危惧しますね。ですからやっぱり、政権を握っているところは健全財政とかね、そういうようなことを本当に考えてもらわないと困ると思うんですね。そんなふうに思いますけれども。

林:それであの要するに、消費税増税の金を、まぁ5兆円くらいあるんですけど、財政再建とかそういうのをそっちのけで全世代型社会保障なんて言っておりますけれども、そんなことを言うこと自体ね、今非常に深刻な問題である社会保障の問題をね、真剣に考えているとは思えないわけです。

少子高齢化の社会の中でね、非常に深刻になっているのは、介護費だとか医療費だとか、まぁ年金もありますけど、そういう問題を真面目に考えていないから、そんないい加減なことを言っておると思います。乳幼児教育の無償化というより、若い労働者のケアとか、あるいは女性労働者が求めているのはね、まず保育園の充実とか、あるいはちゃんとした仕事とか、生活できる賃金とかね、これは非正規の労働者、女性労働者7割占めてますけれども、そういうこととか、保育医療の充実とか、そういうことだと思います。そういう政策ならね、これは現役世代が社会保障を受けるんじゃなくて、それは担う人たちなんです。そういうことこそ経済成長でもあり、財政再建でもあり、そういうことに、あるいは社会保障の充実とか、そういうことにつながっていくわけです。乳幼児教育に転用するなんていうのは、これはどう見たって参院選目当てのバラマキであってね、そういうことばっかりやっているからますます日本の経済も悪くなる、政治も悪くなっていくというふうに思います。何か年金のことで言うことありますか。

菊池:そうですね、もう年金が本当に問題になっておりますけれども、あくまで標準的な高齢者の夫婦の30年後を言っているわけなんですけれども、それよりも何よりも、今のその、なんと言うんですか、年金制度の格差の問題ですね。もう国民年金だけで生活しなきゃいけない人とか、厚生年金たっぷりもらっている人とか、たくさん格差があるんですけれども、これはやっぱり、その格差を解消するために一本化するという事が絶対に必要じゃないかと思いますね。

それともう一つ、年金問題と非常に関係があるのは、定年制の問題ですけれども、これから超高齢化社会で、高齢者と言ったってピンピンしている、本当にまだまだ働ける、働きたい人がたくさんいる中でですね、まぁ、定年制っていうのは強制的に企業が引退しろと、リタイアしろというようなことですから、これはちょっとやっぱり、これから日本の社会考えていくのに、そういう高齢者を多いに適当な時間や何かあるわけですけれども、働いてもらって、そうすれば社会福祉の財源もですね、年金の問題も相当解決できるんじゃないかというふうに思いますね。

人間は本来働く、働かなきゃいけない、健康であればね、働くのが普通であるし、そのために自分のそれが生きがいにもなるし、社会にも貢献するというようなことで、やはり高齢者に対して働く場を設けていただくということが絶対にこれから必要だと思いますけどね、そんなふうに思います。

林:みんなね、結局働くという事は、自分や家族の生活の為でもあるし、あるいは一部分は社会全体のためでもありますからね、それは人間の一つの本性っていうかね、そういうものだと思います。

もう一つね、参院選の争点として、憲法改正問題があるんですよね。野党は、今の憲法は全然変えちゃいけないとかね、そういう主張なんですけど、大体法律が全然変えてはいけないとかね、日本にも古い十八条の憲法とかいろいろありますけどね、そういうのは歴史的な、あるいは社会的な産物であってね、絶対変えてはいけないなんていうのは観念論の最たるものだと思います。私たちも現行の憲法については、例えば第一条がね、天皇制になっていると。そういうことは、これは明治憲法を引き継いでいるわけですから、そういうのを利用してね、また天皇制を悪用しようとする安倍政権とかそういうのが出てきているわけです。だから少なくともそういう体制をね、問題にしてもいいんじゃないかと。私たちは例えば第一条は、天皇主権のような形ではなくて、国民主権ではっきりうたう。それで、天皇のことは、第二に移すと。少なくとも第1条を変えるというような、憲法改正はやったらいいと思っております。

それで、9条の問題なんですけどね、安倍の憲法改定、野党は反対だ反対だと。まぁ反対でもいいんですけどね、私たちはあれは反対するような意味のある改憲案か、自民党の名だけを入れると、前の平和条約は残すと言ってね、うたえばいいんだと、自衛隊を。そんなのは安倍の趣味か思いつきか知りませんけど、そんなのは憲法の改正案に値しないとすら思っています。そういう意味では反対です。あんなのは、国民投票になったら大変だなんて言って、3分の2、3分の2、騒いでますけど、野党はね。そんな事は、国民投票を恐れる必要はないと思います。それが支持されたら大変だとか、言われたらまぁどれくらい大変かわからんですけれども、憲法だけが戦争が起こるとか起こらないとか、そういう問題じゃないんです。戦争法が成立したと言っております。それで、これで日本は戦争する国になったと言っております。憲法のもとでそうなったなら、憲法なんてだけで問題が決まるんじゃないってことを野党は自分で言ってるようなものなんです。そういう観念論で野党は考えております。

立憲民主党なんて、いまどきのあれは思想じゃないんです。18世紀から、17世紀、18世紀の歴史的な考え方としては意味があるんですけれども、いまどきのあんなことを言うのは、立憲民主党は時代錯誤の、そんな政党です。大体、野党共闘などと言って安倍政権に勝てると言っておりますけれども、一昨年の総選挙の経験を見ましても、野党共闘は潰れているわけです。潰れて、民進党の半分が最初は前原さんのもとで、全体が小池保守新党に走ろうとしたんです。それで野党共闘は潰れました。そんなのをもう一回やろうという気がしれません。

あの後、共産党の志位委員長は、前原が裏切ったから悪いと言いました。前原のせいに押し付けました。しかし、そんな裏切るような人と一緒になって、安倍政権と戦えるとかそういうふうに考える自分の責任について何も言っておりません。その後、小池書記局長も、昨年の1月に、今度は3年前の参院選挙、一人区で11人、野党共闘で押し上げました。それを今まで、成功体験だと言っておりましたが、なんと一昨年の1月には、半分の、半分じゃない、11名の当選者の8名が保守新党、希望の党に行こうとしたと言って、半分以上が裏切ったと言いました。野党共闘で押し上げた議員が、半分以上がそういうことを言っております。今そういう裏切ったといった人たちと、また同じ顔ぶれで野党共闘をやろうとしています。そんな野党共闘で、安倍政権と戦えますか。裏切った人たちも、裏切られた人たちも、何事もなかったように野党共闘だとか浮かれております。そういう戦い方で私たちは、安倍政権を追い詰める事はできないと考えております。安倍になめられて、なめられきっております。私たちは、そういう安倍政権のそういういい加減さ、反動性、政治腐敗、反動化、軍国主義、そういうものに対して、労働者、働く者の立場に立って、戦うということを議会の中でもやりたいというふうに思っております。

私たちの比例トップの伊藤恵子さんは、これはもう、女性労働者として一生を生きてきた方です。吉村さんは、労働運動に従事しながら戦ってきた方です。比例区の候補として、非常に働く皆さんの助けになると思います。労働者、働く皆さんが、全員が比例区の選挙区に労働者党と書いてください。

労働の解放をめざす労働者党の政見放送でした。

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

広告