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【参院選2019】安楽死制度を考える会 政見放送 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2019年7月16日

2019年7月12日にNHKで放送された安楽死制度を考える会の参議院比例代表選出議員選挙の政見放送の書き起こしです。


安楽死制度を考える会の政見放送です。お話は、代表・佐野秀光さんです。

佐野:安楽死制度を考える会代表の、佐野秀光でございます。皆様方の中には、安楽死という文字を見て、驚かれた方いらっしゃるのではないでしょうか。皆さんは安楽死制度には反対でしょうか。

私は、10年前の2009年、初めての衆議院選挙の際より、日本でも安楽生制度を、と訴えて選挙に臨んできております。世論調査などでは、安楽死制度について7割以上と、大変多くの方が賛成と回答しているのにもかかわらず、誰も政治家が言い出さない。ですから、多くの国民が支持をしている安楽死制度について、国会で議論すらされない状況でございます。消費税や年金問題、憲法改正、原発問題とか、多くの政治家が意見を述べますが、この安楽死制度については誰も言い出そうとしない。だから、一人でもこの安楽死制度について、国会で言い出す政治家が貴重なんではないでしょうか。安楽死と言うと、何か暗い印象を持たれる方も多いかもしれませんが、私が皆様に訴えたい安楽死というのは、人間が楽しく生きて、思い残すことのない、悔いのない人生を生きるための提案なんです。

まず第一に、安楽死制度とはひとことで言えば、自分で自分の最後は決められるということなんです。若い方も、高齢の方も、多くの国民の方が、自分の将来の不安を抱えて生きているんじゃないでしょうか。その一番の原因は、何なのでしょうか。それは、自分がいつまで元気に生きれるのかがわからない。自分の死に方、その時期が決められないこと、それが最大の原因じゃないでしょうか。人生の選択肢の一つに、安楽死という選択肢もある。その選択肢がある人生こそが、先の見えない人生の不安を払拭できる唯一の方法ではないでしょうか。

しかし、今の日本の社会では、人間誰しもが必ず訪れる死についての議論は、タブー視されてきました。日本では現在、安楽死制度は認められておりません。私は医療関係者ではありません。医療関係者ではないからこそ、あえて人間の死について、しっかりと一般の方々と同じ目線で素直な意見が言えると思っております。国民の多くの方が、自分の最後に対しての不安を抱えていると思います。安楽死という選択肢についても、声なき声ではありますが、国民の7割以上の方が賛成なのも納得できますよね。しかし、それを口に出す、あるいは語り合うということがしにくい社会になっております。

本来一番大事なことは、自分の最後は自分で決められることなのではないでしょうか。自分の人生の区切りの最後を決められることは、言い換えれば、思い切って自分のやりたいことがやれる人生になる。そうではないでしょうか。ただ長生きするだけの人生で良いのでしょうか。楽しい人生を生きる。本当は、これが一番大事なことなのではないでしょうか。ですから、自分の死について、自分ならこう思う、自分ならこうしたいという素直な意見が言えること、そしてその意思が尊重される社会にしたい、そう思っております。

もちろん、安楽死制度は全国民に強要するわけではなく、使いたい人だけが使えばよい制度です。消費税の増税のように、全国民に一律に課されるものではありません。使いたくない人は無視していただいで、使わなければ良いのです。その制度を使うかどうか、その決断は、家族や他人でもなくご自身本人であって、強要されるものではありません。

また安易に不適切な適応拡大が起こらないよう、安楽死先進国の先例を参考に、皆様方と一緒になって考えたい、そう思っております。その他にも、延命をしたくないという人の意思の尊重。これも大事なことなのではないでしょうか。仮に自分が治る見込みがなく、苦しくて痛い病に侵された場合でも、自分の意思で自分の最後が決められる自由、そういう自由があっても良いのではないでしょうか。最後には安楽死という選択肢もあるということで、逆にもう少し頑張ってみよう、そういう気持ちにもつながる場合があるのではないでしょうか。また、病で動けない体になった場合にも、家族などには世話や手間をかけたくない、そう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私たちは子供の頃から、人生は頑張ることが美徳だとされてきました。どんな、人生が苦しくても頑張らなければならない。健康状態が悪くても頑張って、最後の最後まで生き続けなければいけない。そのようなプレッシャーこそが、人々が悩み、不安に陥る大きな要因だったのではないでしょうか。人生の一つの選択肢として最後は安楽死という選択肢もあるというだけで、お守りのように自分自身の中の安心感に繋がるのではないでしょうか。私はそう思っております。

また、安楽死制度があれば、将来の不安のためにやりたいことを我慢してコツコツと貯金をしなくても大丈夫です。たとえ貯金がなかった場合でも、安心して暮らしていけます。自分で稼いだお金を自分の計画、人生計画に合わせて使うこともできます。趣味のゴルフや盆栽や車などに使ったり、海外旅行に行ったり、家族みんなで計画的に元気なうちに温泉旅行をすることもできます。自分の稼いだお金を計画的に家族に残すことも、自分で使い切ることもできます。

また安楽死制度を認める法案が成立した場合、特に大きな予算を組む必要はございません。大きな予算をかけずに国民が安心感を感じられること。これは今の日本の社会では大変重要なことなのではないでしょうか。海外では年々増えてきておりますこの安楽死制度について、日本では、誰かが勇気を出して言い出さなければ決して始まりません。この安楽死制度の議論、国会でもきっと誰かが言いだせば、賛同する議員は必ず増えてくると思っております。しかしながら、自分がその言いだしっぺになりたくない、そう思ってる政治家ばかりでございます。

ぜひ私を、その言いだしっぺとして国会で発言して議論させてください。安楽死制度の議論は勇気を持って言い出せる政治家が必要なんです。そしてそれを実現するためには、安楽死制度を検討してもいいなと思われている方々の、声なき声を届ける人間が必要です。他の政党の議席が1議席増えても減っても、皆様方の生活は何も変わりません。安楽死制度を考える会の1議席は、皆様方の生活をガラッと変えられる可能性がございます。ぜひ、悔いのない人生を送るためにも、今までの政治家が口に出すことを恐れてタブー視していたこの安楽死制度について、安楽死制度を必要と思われている方々の声無き声を届けるために、私に託してください。そして国会で議論させてください。たった一人でも勇気を持って安楽死制度を提言する者が国会議席をいただければ、安楽死制度の議論に大きな風穴が開けられると確信しております。

この安楽死制度について、ご賛同をいただけます場合には、是非とも、このたびの参議院議員選挙、2枚目の投票用紙、比例代表には安楽死制度を考える会、もしくは安楽会とお書きください。今まで誰も言い出せなかったこの安楽死制度。是非ともその言いだしっぺとして、私に国会で声を上げさせてください。そして、皆さんと一緒になって、悔いのない人生の生き方を考えてまいりましょう。ありがとうございました。

安楽死制度を考える会の政見放送でした。

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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