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【参院選2019】自由民主党 政見放送 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2019年7月16日

2019年7月8日にNHKで放送された自由民主党の参議院比例代表選出議員選挙の政見放送の書き起こしです。


自由民主党の政見放送です。お話は、自由民主党総裁・安倍晋三さんと、女性局長・三原じゅん子さんです。

三原:総理、今、国際情勢は米中貿易摩擦、北朝鮮情勢、英国のEU離脱問題、緊迫する中東情勢など、激動の中にあります。こうした中で、G20大阪サミットの議長を務められました。手応えはどうでしたか。

安倍:世界は結束できる、そう信じて精いっぱい議長役をつとめました。もちろん様々な議題について一気に解決策を見いだすことは難しいですが、日本はあらゆる国と信頼関係があります。この日本ならではの立場を生かして、最後の最後まで、対立よりも共通点を粘り強く見出し、経済、貿易、環境問題、女性の活躍など力強いメッセージを出すことができました。

三原:特に今回は貿易をめぐる対立が取り沙汰されましたが、どういった立場を主張されたんでしょうか。

安倍:世界は自由貿易のもとで繁栄してきました。中でも日本は、自由貿易体制があったからこそここまで発展してこれたのです。我が国の中小・小規模事業者のみなさんがこつこつと作ってきた質の高い製品や美味しい農産物を世界で売ることができるのは、自由貿易のおかげなんです。

三原:しかし自由な貿易が格差を拡大し、保護主義への誘惑が生まれる。そういう指摘もあります。

安倍:だからこそ、貿易で生まれた富がすべての人々に行き渡るルールをつくることが大切です。公正なルールが必要なんですね。この点は、私はトランプ大統領にはっきり申し上げているんです。

三原:そのトランプ大統領を大相撲に招待するなど、総理は蜜月ぶりを世界に存分に発信しておられますね。

安倍:米国は唯一の同盟国です。万が一日本が侵害を受けたときには日本を守るために戦ってくれる、それが米国です。大統領と信頼関係をつくることは、日本の総理大臣としての責務だと私は思っています。そしてもちろん、深い関係にあるからこそ、なんでも率直に、言い合える仲なんです。

三原:世界はトランプ大統領のツイッターに釘付けです。これまでの大統領のイメージと異なり型破りな方ですが、実際、大統領はどんな方なんでしょうか。

安倍:訪日の際、拉致被害者のご家族にお会いいただきました。予定の時間が来て、会議が終わりかけた時、トランプ大統領がわざわざ、全部言いたいことをお話ください、どうぞ続けてくださいと言ってじっと耳を傾け続けました。そして、拉致被害者恵子さんのお父様、有本さんが、お手紙をスタッフの方にお預けしました、と伝えたところ大統領は、私に直接お渡し下さい、帰ったら直ちに机の上で読みますと言って、直接受け取られました。数日後、自らの署名入りの返信を、有本さんに送ってくれました。

三原:トランプ大統領が拉致問題に関心を持ってくださるのは、ご家族も大変心強いと思います。

安倍:私は、初当選以来25年以上、拉致被害者のご家族とともにずっと戦ってまいりました。私が総理になり、ご家族がご高齢となる中でいまだに被害者の皆さんを取り返すことができない。本当に痛恨の極みです。トランプ大統領だけでなく、習近平主席からも拉致問題について金正恩委員長に伝えていただきました。私自身、あらゆるチャンスを逃さないとの考え方の上に拉致問題の解決に向けて、全力で取り組んでいく決意です。

三原:令和の時代が始まって2カ月ですが、随分と世の中に浸透していますね。元号の制定は大変な責任と重圧だったと思います。

安倍:おかげさまで令和を多くの国民の皆様から評価、歓迎していただきほっとしています。令和の時代を切り開く、若い人たちが評価してくれていることを聞いて、大変嬉しく思いました。

三原:新しい時代となりましたが、令和の時代にも安心できる、責任ある社会保障制度を作ることは、私たち政治家の大きな責任だと思っています。しかし一部の野党は、高齢者の皆さんにとって大切な年金を政争の具にし、具体的な政策も示さないまま、ただただ不安をあおるだけの議論に終始していることは、大変残念に思っています。私たちだって高齢者の皆さんの年金を少しでも増やしたいと思っています。しかしそんな打ち出の小槌はあるのでしょうか。

安倍:年金は、大切な老後の生活の柱です。しかし、その財源は現役世代の保険料負担や税金です。負担を増やすことなく、給付だけを増やすことなどできません。

三原:そういうことを、野党の皆さんも有権者に隠すことなく正直に語るべきだと思います。一方で、わが国では今後急速に少子高齢化が進みます。支えられる高齢者が増える一方、支え手である現役世代は減っていく。そうすると、年金が減っていくのではないかと、不安を持っていらっしゃる方は多くいらっしゃると思います。

安倍:その通りだと思います。逆から言えば、政策次第で年金を増やすことは十分に可能です。この6年間で女性や高齢者の皆さんを中心に、新たに380万人を超える皆さんが仕事につきました。支え手がしっかりと厚みを増やせば、お一人お一人の保険料負担を引き上げなくとも、保険料収入が増えます。この春も、6年連続で今世紀最高水準の賃上げが実現しましたが、その結果、今年は年金額をしっかりと増やすことができました。デフレから脱却し、働く皆さんの所得が上がれば、年金給付を増やすことができます。

三原:それでも国民年金・基礎年金しか受給していない方や、低年金の方がおられます。

安倍:そうした方々にしっかり光をあてていくのが、政治の責任です。アベノミクスの果実を生かして、必要な納付期間を25年から10年に短縮し、約60万人の皆様に新たに年金を支給いたしました。年金額が少ない皆様に、今年10月から、財源をしっかり確保して、最大年間6万円の給付金を支給し、しっかりと所得を支えてまいります。さらには、介護保険料も3分の2に軽減いたします。

三原:大切なのは実行であり、結果を出すことです。年金積立金の運用益は、この6年で44兆円増えました。民主党政権時代の10倍ですね。

安倍:年金の信頼性は、確実に強固なものとなっています。私たちの年金を充実する唯一の道は、年金の原資を確かなものとすること。すなわち、経済を強くすることです。これからも安倍政権は、経済最優先で年金の安心をしっかりと確保していきたいと思います。

三原:アベノミクスのもとで、経済は好調ですね。史上初めて、47すべての都道府県で有効求人倍率は1倍を超えています。地方の観光地にたくさんの外国人の方々が押し寄せ、賑わっているという話もよく聞きます。消費額にして4兆5000億円の一大産業が生まれ、地方経済も明るさを増しています。

安倍:3本の矢の経済政策によって、この6年で雇用は380万人、正規雇用も130万人以上増えました。一番嬉しかったのはこの春、高校・大学を卒業した若者の就職率が過去最高水準であったことです。若者が自らの手で自らの未来を切り開いていける、まっとうな日本経済をつくることができました。

三原:民主党政権時代、中小企業の倒産が今より4割以上多かった、働きたくても仕事がない、若者たちはどんなに頑張っても就職内定が得られない、あのような時代に戻してはなりません。アベノミクスによって日本経済は一変しました。その果実が全国津々浦々、できるだけ多くの人に行き渡るようにしたいですね。

安倍:アベノミクスの果実を生かして、初めて返済不要の給付型奨学金の創設や、5年間で50万人分の介護の受け皿を整備しています。成長の果実を、教育や社会保障に大胆に投資してきました。保育の受け皿も53万人分整備しました。

三原:そうした中で昨年、待機児童は6000人減少し、10年ぶりに2万人を下回りましたね。

安倍:子どもたちはこの国の未来そのものです。この10月からは、消費税を財源として、3歳から5歳までの幼児教育、保育を無償化します。来年4月には真に必要な子どもたちの高等教育の実質無償化もスタートし、子育て世代の負担を大幅に軽減します。少子高齢化の時代にあって、安倍内閣は未来を担う子どもたちに大胆に投資してまいります。

三原:このところ、その子供たちが虐待を受ける悲しいニュースも相次いでいます。女性局では長年児童虐待根絶のためのハッピーオレンジ運動に取り組んできただけに、本当に無念な思いです。

安倍:子どもたちの命を守るのは、私たち大人の責任です。何よりも命を守ることを最優先に、児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の取り組みを警察が全面的にバックアップすることで、児童虐待の根絶に向けて総力をあげてまいります。

三原:新しい令和の時代は子供たちの笑顔であふれる日本にしたいですね。安倍総理は、内政では子ども、高齢者など弱い立場にある人の声に耳を傾けながら、できる限りの政策を進めておられます。外交では、世界の真ん中で輝く、新しい日本外交の形を作ろうとしています。私たち与党も、一丸となって取り組んでいきたいとおもいます。それにひきかえ野党は、日頃は与党の揚げ足取り、政策の議論を重ねないまま、選挙目当てで人気取りだけの実現できるかも怪しいような政策を言い始める、所属政党はころころ変わり、対案なしで何でも反対、やること全てがブーメラン、何度この光景を見たことか。こんな野党には絶対に負けるわけにはいかない、心からそう思います。

安倍:この前の三原さんの参議院本会議での演説は凄い迫力でしたね。国民の代表としての自覚、国会で議論に臨む姿勢、非常に印象的でした。

三原:野党に恥を知りなさいと申し上げたら、凄まじい反響でした。与野党において、建設的議論を行わせて頂きたいと願っています。さてそろそろお時間です。総理、最後に国民の皆さんにメッセージをお願いします。

安倍:12年前の参議院選挙、私たちは大敗し、国会にもねじれが生まれ、そしてあの民主党政権が誕生した。決められない政治のもとで、経済は低迷し、外交の存在感も失われました。この選挙、問われるのは、安定した政治の上に日本の明日を切り開くのか、それともあの混迷の時代に後戻りするのか。みなさんのお力が必要であります。選挙は厳しい厳しい戦いです。どうか自民党の候補者に、皆様の力を賜りますよう、よろしくお願いします。期日前投票も簡単になりました。ぜひ、本日にでも投票所に足を運んでいただいて、どうか自民党に力を与えてくださいますよう、お願い申し上げます。

自由民主党の政見放送でした。

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ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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