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【沖縄県知事選】「候補者ネット討論会」書き起こし 後編(経済振興・教育政策ほか)

  • ポリタス編集部
  • 2014年11月13日

ポリタスでは2014年11月12日水曜日に「niconico」主催で開催された「沖縄県知事選2014『候補者ネット討論会』」の模様を文字起こししました。

前半の書き起こしはこちらから。

◆経済振興


photo:【沖縄県知事選2014】候補者ネット討論会(ニコニコ生放送)より

角谷:続いてのテーマに移ろうと思います。つづいてのテーマは経済問題です。この経済問題ですけれども、おっしゃる通り沖縄県は島であるということ、その魅力だとか、メリットを活かしながら、観光産業などもあるでしょう。雇用の問題なども大きなテーマもいろいろあります。ここはまず全般的に経済の問題について皆さんの考え方をうかがっていきたい。ひとり2分でお願いします。まず翁長さんから。


photo:【沖縄県知事選2014】候補者ネット討論会(ニコニコ生放送)より

翁長:経済振興に関しては、基本的に21世紀ビジョンに示されておりまして、私も沖縄県市長会の会長として審議に加わっておりますから、実現に取り組むことは当然だと思っております。沖縄県は、那覇から3000キロの円を描きますと、そこには香港、上海、シンガポール、台北、バンコクといった国々が入ってまいります。成長著しいアジア経済の巨大マーケットの中心に位置する優位性を活かしまして、観光・リゾート産業、あるいは情報通信産業、国際物流拠点などをいいかたちで連携させながら、伸ばしていかなければならないと思っております。そのためにアジア経済戦略構想を策定していきたいと思っております。また、沖縄の大きなる可能性を秘めたものはなにかといいますと、沖縄の自然、歴史、伝統、文化、あるいは琉球王朝時代の万国津梁(ばんこくしんりょう)の精神。これはですね、世界の架け橋になって、成果の文化を取り入れて、平和交流、経済交流をするということでありますけれども、亜熱帯という気候を含めまして、沖縄のソフトパワーがですね、アジアのダイナミックな経済構造と大変いいかたちで今つながりつつあります。その原因で国際物流拠点とかですね、情報通信産業などもぐんぐんぐんぐん伸びてきているわけであります。それから、沖縄の魅力のもうひとつは、日本で数少ない人口増加地域であります。また実質成長率でも日本では1位であります。それから外国資本も虎視眈々と沖縄を狙っておりまして、まあ外国資本が沖縄に入ってくるのがいいのか悪いのかは別にしましても、大変市場として魅力があると認められているところであります。これまでの……また、もう1つの違う振興策はですね。あ、時間ですので終わりたいと思います。

角谷:はい、ありがとうございます。では、仲井真さん。


photo:【沖縄県知事選2014】候補者ネット討論会(ニコニコ生放送)より

仲井真:はい、経済振興。産業振興っていうのはもう、沖縄がどうしてもしっかりと取り組まないといけないテーマです。そういうことで、しかもこれは雇用と完全に関係しております。ですから完全失業率が日本平均よりかなり高い時代から、だいぶ今は改善されてきておりますが、日本平均までもっていこうとかですね、県民所得パーヘッド、ひとりあたりの県民所得をいまの最下位から、47都道府県の真ん中ぐらいまで、23・24位までにもっていこうというような趣旨の、大きなマクロなフレームが21世紀ビジョンの中核になっております。それに向かってのいろんな策が考えられているわけでございます。そして、我々は、県民所得をあげる。これが、長年の悲願でしたけれども、今度はあと6、7年すれば確実にそうなって行くと思います。そのためにはですね、産業振興とはどういうことなのかというと、既存の地場の産業を徹底して大きくする、ないしは活性化する。そして、農業関係もしっかりと応援をする。そして、産業を引っ張って行くリーディングインダストリーとして現在は観光がありますが、もっともっと新しいリーディングインダストリーも考えていく。こういうことが重要だと思っております。そしていま、具体的には、国際的な観光リゾートを作ろう、1000万人・1兆円の産業にしよう。そういうことで、その他いろいろな産業インフラがいまいろいろと整備している最中でございます。

角谷:はい、ありがとうございます。では、下地さん。


photo:【沖縄県知事選2014】候補者ネット討論会(ニコニコ生放送)より

下地:分かりやすく、いま3兆8000億円のGDPを6兆円なんです。202万円の県民所得を300万円まで上げる。ましてや今、貧困率が29%で、全国の2倍ですから、全国以下の10%台にする。この3つをやるためにどうするかということを考えてます。私は2つ提案しています。1つは、沖縄のリーディング産業である観光産業を伸ばしていく。いま640万人の観光客がきていますけど、そのうち93%が日本人。これがですね、これから日本の人口は減っていきますから、とにかく目をアジアに向けなければならない。アジアに向けての観光発信をしていく。それにはコンベンションセンターが一番いいだろうと。世界の国際会議などそういうのができるのがいい。あとはモータースポーツとかですね、ユニバーサルスタジオとかのテーマパーク。それから、スポーツを産業にする。そういう沖縄に今、ないやつで、私はこの観光産業を引っ張って行けるようなかたちに変えていく。シンガポールがひとりあたりの消費高12万ですが、沖縄は5万円ですから。今、私が申し上げたコンベンション事業であったり、スポーツ産業であったり、音楽産業であったりと、こういう新たなアイテムを沖縄の観光産業に取り入れたら、確実に沖縄の観光は伸びていくという。2つ目ですね、沖縄の企業で売り上げの20%近くを県外に出しているところはなかなかいない。外向きの企業を作るという意味では、とにかく沖縄のいいもの、いっぱいありますから。スイーツでも泡盛でもビールでも、いろんないいものがありますから、これを県が輸送補助を出すなどして、しっかりと出していく。台湾、シンガポール、フランスのパリであったり、県の会館をつくって、とにかくそこに沖縄ものを見てもらうようなしくみをつくり、輸出に力をいれたい。いまのように企業誘致という言葉で、特区をつくって企業に来てもらうという発想はナシ。地場企業に力をいれて、地場企業を外に出す。地場企業に観光産業で力を入れさせる。こういうしくみを作って、6兆円を達成したい。

角谷:はい、ありがとうございます。では、喜納さん。


photo:【沖縄県知事選2014】候補者ネット討論会(ニコニコ生放送)より

喜納:平和なくして観光はないと思っています。観光とは光を観ると書きますね。だから今、沖縄は軍事的キーストーンといいますけど、平和的キーストーンにもなれるという。紛争のあるところには、誰も観光に行きません。わたしはやはり万国津梁というんだけど、地球も狭くなっているんだし、アジアだけというのではなくしてね、反対側の人たちもね、沖縄に来るぐらいの、大きい万国津梁の鐘に勝てるような意識を持たんとダメだと思っている。沖縄の観光というと、国際、国際というけれども、90%以上がほとんど国内ですから。国際というのは名ばかりのものになっているという。そういう意味で私は、言語をしっかり教育させていきたいと思っている。とくに英語、それから中国語、ハングル語。この3つを教育にしっかり取り入れることが、経済にもなると思っている。それから、東日本の震災ね。その地震、津波、原発の教訓を日本は活かしきれていないと思う。私は勤勉な日本人の民と優秀な日本人の技術の潜在的能力とを、日本が使いきれないのなら、この沖縄で使ってみようじゃないかと思っている。要はGDPは地球を破壊する指数なんです。地球との共生指数を作って行くうえでね、大胆な政策を私は沖縄でやりたい。そう意味では、ベーシックインカム、最低所得保障制度というものをまず沖縄で取り入れるという。資本主義というのは、産業複合体の病気にかかっていますから。資本主義であろうが、アメリカであろうが、中国であろうが、ロシアであろうが、日本からまったく新しい世界を作っていこうではないかというのが、私が今回の手を挙げたテーマですね。よろしくお願いします。

角谷:はい、ありがとうございました。経済振興、いろいろな側面から皆様にご説明いただきましたけども、ひとつは環境資源が非常に豊富であるということが指摘の1つ。それから、産業インフラを強めることで、いまものすごくチャンスであるという。そのチャンスは県内での発信力が強いものがいくつもあるはずだという。それをきちんと外に出すということ。それから、海外からの誘致や観光客の増員。ここもひとつのポイントじゃないだろうかという指摘がありました。この点を踏まえてですね、どうも経済振興には基盤インフラと、それから観光という話が出たと思いますけど、それについてなにか、なおひとつ踏み込みたいという方はいらっしゃいませんか。

仲井真:基盤インフラというと道路、沖縄は自動車交通の地点になっていますから、道路ももっと整備する必要があるのですが、やはり南北縦貫鉄道というような大きなものがないと、なかなか産業インフラ、生活インフラになりきれておりません。それから大国際会議場というようなものもありません。ですからこれもいま計画中ですが。そしてユニバーサル・スタジオ・ジャパンのようなですね、ああいうものを、子供も楽しめるようなものをやっぱりもう1回作る必要があります。あと今第2滑走路を那覇空港に作っておりますが、ちょっとこれは遅きに失した感はあるんですが、今政府が一生懸命急いで作っていただいて。これでおおよそのインフラはできてきますが、まだまだ産業の前線のインフラをですね、もう少し整えないと、なかなか沖縄産業振興にはですね、少し足りない。いま急いでですね、いろいろな産業インフラ、たとえば空港のターミナルですよ、国際線も国内線も超満員になってしまっていて、LCCがでてきたら、またこれ受け入れも含めて。ですからあそこらへんの整理整頓も含めて、産業の前線のインフラがまだまだ足りなかったなぁというところです。いま力を入れてやろうとしているところです。

角谷:はい、では下地さん。

下地:やっぱ入り口を大きくしないといけないので。那覇空港、今2本目の滑走路をしていますけど、それをやりますね。しかしこれだけではダメです。やはり嘉手納飛行場の軍民共用化したい、という思いがあります。3000メートルを超える飛行場が2つありますから、これをやらないといけない。岩国も三沢も全部軍民共用。嘉手納基地だけ軍専用で使っていますから、これを軍民共用でやる。そして下地島パイロット訓練飛行場が、これが3000メートルを超えていますから。3000メートル級滑走路を5本持っているのは沖縄だけです。だからこの沖縄の、この有利性をですね、徹底的に活かしてやっていくというのが大事です。いま話がありましたように、この前国際線のターミナルを作ったんですけど、失敗ですね。あの飛行機が2機しか止まれないような国際線のターミナルを作ったということ自体は、僕は県に責任があると思ってて。やっぱり2本目の滑走路もできる、それがわかっていて、なんで税金をこんなに使ってターミナルを作ったのか。これは大きな問題だと思う。また那覇から本部までの鉄軌道っていうのは、これ、政権交代をしたときに私が初めて調査費3000万をつけてスタートしましたけど、これは絶対にやらないと交通渋滞になる と。だから入り口を大きくして、中に入ってきても混まないような環境をつくる。そういうようなものをちゃんと作っていけば、あとは沖縄にはいろいろないい素地がありますから、必然的に伸びていくと思いますが、その整備だけ、インフラ整備だけ、絶対に政治家が間違わないようにすることが大事だと思っていますね。

角谷:はい、では翁長さん。

翁長:やはりこれもアジアのダイナミズムとですね連動させなくてはいかんと思います。やっぱりいま国内からの観光客が8、9割ですから、これをまた変えていかなければなりません。その前にですね、平行滑走路も出てまいりましたけど、国際物流拠点ということで全日空さんが成田、羽田、あるいは関西から生鮮食品や物資を持ってきて、それを3,000キロ圏内にあります台北や上海、香港にいま24時間体制で持っていきます。ヤマト運輸さんがそれを、その当地で配達をしているわけで、これが、4、5年前に935トンだったのですが、今年はもう14万7000トンということで、170、180倍に伸びてきております。これが伸びてきますと、持ってきた物資、生鮮食品等の置く場所、仕分けをしたり、組み立てたりするような場所が、もう平行滑走路の周辺にはないんです。ですから、那覇軍港というですね、遊休化しているものを共同使用させていただくか、返還をしていただかないと、あの平行滑走路が活きてこない。それから、自衛隊の南側に大きな土地がありますけれど、遊休化している、これは経済界のほうでぜひそれに使わせてくれと、ロジスティックセンターと言いますけどね、そういったようなこと等がないと、いわゆるアジアのダイナミズムにですね、沖縄のそういったものが、能力を発揮できることができないというようなことになります。それから、外国の観光客を増やすためには、いま若狭のバースの方にクルーズ船が来ていますけども、3、4年前までは30万ぐらいだったのですが、去年で50万を突破して、今年で80、90万いくというふうにいわれてます。来年、再来年で100万人を突破するというようなことでありますので、このクルーズ船の第2のバース、これを建設して、接岸ができるようにやっていかなきゃならないなと思っています。那覇市もさることながら、石垣も大体似たような人数で外国のクルーズ船が来て、いまアジアの、そういった意味での国際観光産業というのは本当にいま伸びてきておりますので、こういった施設もつくっていきたい。それから、J1対応のサッカー場。やはりセルラースタジアム那覇も市長時代につくって、これからアジアのメッカにする。あるいは、今年の11月、今月には大リーグと日本選抜が試合もするようなことにもなってきましたが、やはりサッカーもそういうようなものを作りまして、このスポーツアイランドとしてやっていきたいなと、このように思っております。

角谷:はい、ありがとうございます。喜納さん。

喜納:まずね、那覇空港から那覇市に入るときに、左側に米軍基地の金網があるんですね。右側には自衛隊基地の金網がある。沖縄は平和の島、守礼の島というんですけど、人々を迎えるところに人類殺しの道具が置かれているんですね。まずそういうものを見つめる必要があると。私はまず小禄の自衛隊基地をね、ハンセン、アメリカが使っているハンセンにもっていくか、それかこれは返してもらうと。それと、米軍、那覇の軍港も返してもらうと。そうすることによって、かつて言っていた国際都市形成構想かな、基地アクションプログラムというものが動くのであって、もともと私はそういう流れをまず基本的にはやるという。それから、あと1つは、まあ何というんですかね、飛行場を平行化するのもいいのですけどね、大いに沖縄は反省しなくちゃいけない。なんであんなに生態系を破壊して、平行滑走路を作る意味があったのか。私ならばあのハンセンで、元、旧日本軍の飛行場がありましたね、そこをアメリカに返してもらって、そこに北部に1つ飛行場をつくれば十分間に合ったはずなのに、すべてあの泡瀬の干潟も埋めてしまう。なんできれいな珊瑚、なんできれいな干潟を全部埋めてまでやるのか、信じられない。いかに今までの沖縄の為政者たちがね、沖縄の未来を考えずにやってきたかというのを反省せざるをえないと。だからある意味では、わたしは鉄軌道もね、しっかりこの那覇から北部までひく。都心に関しては地下鉄をもってくるとか、それから離島に関してはしっかりしたスカイタクシー、ヘリコプターでね。高江のヘリパッドというのを簡単につくれるんだから、アメリカは。そうして反対を起こしているのだからね。それを離島に行かせばいいんじゃないですか、離島に。そういう全くその、なんていうか、その考え方を改めて、アメリカにモノを言いながら、中国に対してもはっきりモノを言う。なんでそんなことを、石原さんは言っていたはずなのに偏った言い方をするのか私、信じられないですね。あの方が尖閣諸島の問題もね、わけがわからないところに火をつけてしまって、もうね、問題化してしまったということを私は反省しながら、世界を見ながら沖縄がどういうかたちで財政も政治も文化的にもね、いわば打ち立てていくかということを言いたいですね。

◆カジノはどうする?

角谷:喜納さんからの指摘ですけれども、今みなさんの説明だと、既存のインフラをもっと強めなきゃいけないという指摘はみなさん同様だったと思います。また、今喜納さんがおっしゃるように、たとえば休眠しているところに自衛隊を移動させることによって、何か自由に使える場所が増えたらいいんじゃないかというような指摘も含めてですね、今の既存のインフラを少し、何かこういうふうにしようとか、それから先ほど、仲井真さんのほうからUSJの話が出ましたけれども、たとえば今国会では通りませんでしたけれども、通らないと思いますけれども、カジノ法案の話で、カジノはどうするかという議論も沖縄の中ではあるやに聞いています。こういったものでまあ、現状のインフラの強化でまた組み換えを、何か可能性としてありうるというものがご指摘としてある、またはご意見としてあるなら伺いたい。それから、カジノはどう考えるか、みなさんの意見をちょっと簡単に伺えますでしょうか。1分ぐらいづつでまとめていただけるとありがたいのですが、どなたかいらっしゃいますか。じゃあ仲井真さんからいきましょう。

仲井真:カジノから申し上げますが、カジノはやっぱり大いに今、研究はしています。東南アジアでも世界でも結構やっていますしね。ビジネスとしてやっぱり大いに研究しておく必要がありますが、ただいろんな議論、意見もあるものですから、沖縄県ではですね、最終的な案ができた段階でコンセンサスを得るようにして進めるかどうか決めると、こういうふうにしております。それでインフラという点では、特にエアラインですね、エアライン。この島伝い観光も含めて、それから船も含めて、島伝いの、特に海上輸送について、もう少し別のシステム、それからエアについてもですね、ちょっと別のシステムを作った方がいいと私の方で今考えて研究中です。

角谷:はい、ありがとうございます。では下地さん。

下地:カジノに関しては積極的に研究していくのは大事だと思います。国が法律を作る以上はその法律に則って、どういうやり方をするのか積極的に沖縄も介入していくべきだというふうに思っています。最後は県民と相談しながら決めることでありますけれども、行政としては積極的にやる。ただ観光については、今インフラの話をしています。インフラは入口を大きくしたり、鉄軌道を作ったりユニバーサル作ったりとか、お互いみんなサッカー場作ったりとか、これはもうハードですけれども、問題はどこからお客さんを呼ぶのかと言ったらアジアから呼ぶのだということになってくると、やはり英語教育と、外国人が来てからのこの沖縄におけるサービスをどうするかというようなソフト面をですね、私たちはまだまだ足りない。しかしうちソフト面と言うと、今も道路がもう草が生えまくって、観光地じゃないですよ、これ。だからそういうような当たり前のことをもう1回ちゃんと整理しておかないとだめなので、ソフトを、私たちは対策をしっかりやっていく、というふうに思っていますね。

角谷:はい。私はまさにみなさんの政策をそれぞれ極めてもらいたいと思いますけれども、一方でね、もちろん外国からの誘致、これも大変動員力もあるでしょうし、魅力的な場所であると。1つには、たとえば今日私どもも東京からくるときには、飛行機は修学旅行生でいっぱいでした。修学旅行生が沖縄に来て、いろいろひめゆりの塔を見たりいろんなところで見て沖縄を知ってもらう、これとっても大切なことで、もう1つ大変盛んなのは、日本中の学校から例えば離島に民泊に来る若い日本の高校生たちがたくさんいます。ここで様々な、もしかしたら今僕達が忘れてしまっているようなことを思い出させてくれるようなおじいやおばあの話を聞いて、また帰っていくというところを、ものすごく心に残るのだと思います。もしかしたらそのどこにでもあるインフラ整備だけじゃなくて、沖縄しか持っていないインフラ整備をもっと発信する、インフラ整備じゃないな、心の部分とか、そういったものを何か強調するようなものを、もしみなさんのソフト面でお考えがあるようだったらちょっと教えていただけませんか。

喜納:カジノの件をしゃべってからその話をしたかったのですけれども。

角谷:じゃあどうぞ、お願いします。

喜納:じゃあ私はあの、革新がね、と言われる人たちがカジノに反対する意味が分からない。彼らはパチンコ屋から献金をもらっている。依存症がもう沖縄ではできあがっているわけね。沖縄県民は年間4000億円使っている、パチンコに。そこの問題にいくべきであってね、4000億というお金は還元ができない。しかしカジノになると、36%還元できるわけね。そういう意味では私は非常に、パチンコを淘汰するためにカジノは必要だと。

角谷:つまりカジノにすれば県に落ちると。

喜納:ああ。それからやっぱりタクシーもね、ほとんど3万6000台全部レンタカーなのよ。だからタクシーなんてのは、もう誰でも、雇用として成り立っていないわけね。カジノになると確実にこのタクシーを使うんだと。だからそういう視点からもね、私は革新と呼ばれる人たちが、なぜカジノに反対するのにね、パチンコに反対していないのか、欺瞞を感じてしまう。まあそのあとでまた先ほどの話に答えようと思っています。

角谷:はい、じゃあ。

翁長:カジノについては角谷さんから話があった理由でもってですね、私は沖縄の自然歴史伝統文化、こういったこととの沖縄のソフトパワー、こういったようなことで観光客がおいでになっていることで、今観光はしっかり前進していると思います。カジノはよく言われるギャンブル依存症あるいはマネーロンダリングとか、いろんなことを言われます、犯罪とかですね。それもさることながら、やっぱり沖縄はそれと関係ないところでですね、観光のイメージを作り上げてきていますので、カジノが入ってきた時のこれまでの蓄積されてきた沖縄の自然環境歴史文化、こういったものが大きく損なうのではないか。その意味でカジノが、これが上位に立った時の沖縄というのはちょっと私からすると、想像しにくい。今度の私の選挙は「誇りある豊かさを」と書いてあります。誇りあるというのは、やはりですね、自分の足で地に立って、自分の故郷へ誇りをもって豊かさを、ということになるわけで、その意味からいうと基地経済とカジノ収入というのはですね、沖縄のこれから、将来を考えていくときに、子や孫のことを考えたりすると、私はむしろ経済的にも損失が大きいのではないかなと思っています。

角谷:ありがとうございます。この経済振興の問題は多分ほかのテーマにもまだまだ多岐にわたって関連すると思いますので、次のテーマに移ろうと思います。

◆視聴者からの質問——教育政策

角谷:続いてはですね、事前にニコニコで募集しました一般のみなさんからの質問をこちらでまとめたいと思います。すべて個別の問題にお答えいただくのは大変なので、特に多かったテーマ3つに絞ってあります。雇用政策について、離島の振興について、教育政策について。この3ついずれも沖縄県の抱える大きなテーマだと思いますけれども、この3つの中からまた絞りたいと。本当は全部伺いたいのがやまやまなんですが、この場でみなさんにユーザーのアンケートを取ってですね、そこで一番関心の高いものをみなさんにご質問したいと考えております。雇用政策、離島の振興、そして教育政策について。これが最後のテーマ討論になりますけれども、これについてどれがいいかということを伺いたいと思います。それでこのアンケートの結果をもってテーマにしたいと思います。

 


photo:【沖縄県知事選2014】候補者ネット討論会(ニコニコ生放送)より

角谷:さあどうでしょう。教育政策についてが圧倒的に多いですね、58.3%。続いて、雇用政策、離島の振興についてが、19.5%ということです。雇用も離島も大変興味があるのですが、教育政策が大変多かったものですから、みなさんにはこの質問にお付き合いいただきます。まずはですね、仲井真さんから教育政策についてご見解を頂くとともに、そのあとみなさんから順番にいただいて、討論にしたいと思います。お願いします。

仲井真:教育につきましては、私どもは今思っている内心やらなければいけない問題というか課題、方向としては、まず総合的な学力をですね、小中高生の学力を向上させる。そして、あとは30人学級というような少人数学級をもっともっと徹底して拡大する、今1、2年生を中心に、中学1年生までたしか、なっていたと思うんですが、これをもう少し拡大する、さらに県立高校を中心に県立中高一貫教育というのがありませんのでね、この仕組みを導入して、もう少ししっかりとした将来図をですね、つかめるような教育をする。もう本当に子供たちの能力を引き出す教育というのに徹底しながらやっていきたい。そういうことですから、特にそのグローバル化、世界がこんなにグローバル化したなかで、やっぱりあの、世界で通用する人材というのが最終的にですね、必要になりますから。語学教育を含め、いろんなまた世界的な体験も含め、いろんなこの留学制度とか、そしてまた奨学金制度とかですね、特に留学生今300人くらい毎年送れるぐらいの内容、期間の大小はあるんですが、ありますから、これは内容的にもう少し充実する、さらに、学生の奨学金制度をですね。給付型とかいろんなあの、少し工夫して、もう少し子供たちがちゃんと使えるような内容のものをもっと工夫してやっていきたいというふうに考えております。そして、いつも最近出てくるのは、子どもの、何て言いますか貧困の問題ですよね。こことの関係があるものですから親の収入等について、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。

角谷:はい。わかりました。下地さんお願いします。

下地:やっぱり教育環境整えないと教育は絶対に今私達は作りなおすことはできないと思っています。だから、今貧困率29%って言っていますけど、この29%の貧困率を分析すると、いくつからいくつの人が貧困層が多いんですかって20代から45歳。これが一番貧困層。そのなかでもどういうのに一番負担を感じてますかっていったら教育費に負担を感じているんです。一昨日もうるま市行って無認可の保育園に行って話をしてお母さんと会って話をしたら、いくらで預けてるの、と言ったら「4万円」と。「下地さん、2人合わせて8万円ですよ」と。「私パートに行って10万しかもらわないんだけど無認可でこうやってるんです」という。こういうふうな今実体的にはですね、教育環境が厳しいので、私が今挙げてる教育の完全無料化、保育園、幼稚園、学童、学校給食、これはですね、もう必然的にやらざるを得ないようなところまで来てるんじゃないかなと。この教育環境が整わないために今児童虐待もこの10年間で26倍になったり、中学生高校生の深夜徘徊で補導される子どもが4万件って、沖縄は他の県の10倍以上になってるんですよね。だからやっぱりこの、私は無料化はどうしても実施する。193億円かかるという数字が出ていますから、もう私達の税金は950億円、あと一括交付金、ソフトとハードと、1500億ありますから、これをうまく組み合わせて、私はどうしてもやりたいと。まぁいわば2024万から193万円を出すようなものです。これやったあとに、私達は20人学級をやるとか、学童の時間に先生を送って学童でちゃんと勉強させるとか。英語教育をちゃんとやるとか。こういうようなものはですね、基礎の教育関係を作ってからじゃないと、制度から先に入っても私は難しいと思うんですよね。だからその教育の完全無料化をちゃんとやって、それから制度に入っていくというような仕組みをつくっていくのが私の教育に対する考え方です。

角谷:はい、ありがとうございます。喜納さんお願いします。

喜納:そうですね、教育というのは、私も高学な教育は受けていないですから、日本語が下手かもわかんないけどね、だから多分日本人は私の言葉は聞き取りにくいと思うんですよね。だからある意味で英才教育をやって、それから幼児教育。そして教育制度、444制度をもって、小学校4年、中学校4年、高校4年。そうしてこの高校を選んで、4年で技術を学ぶ。しっかりした技術を学べるような教育を持つということ。それから、さっき東大の話も出てたんですけど、それやっぱり、行きたい大学に行けるような準備期間を長く持つということですね。特に沖縄は、言語に関しては困らないように、さっきも申し上げたんですけれどね、やっぱりその英語、中国語、ハングル語を覚えて、東アジアが平和になるために。平和なくして観光はないんですからね。まずは沖縄側からその平和観光をつくっていくという。やっぱり沖縄の観光というのは、ある意味、経済の牽引者でもあるんですから、観光大学を作るという、ね。それやっぱり観光大学作るにしても、やはり一番に大事なことはなんでしょうね。沖縄が持っている、琉球王朝からそれから現在の沖縄県。そういうものの歴史を学んでいく。まぁ簡単に言えばこの「王府おもろ」「御座楽(うざがく)」「路地楽(るじがく)」それから古典、民謡、空手、ね。「フェーヌシマー」とか「クイチャー」だとか、たくさんあるんですね。たからある意味では沖縄ってのは非常に個性豊かなものを持っているから。これは、シンガポールも勝てないし。まぁバリはちょっと似ている部分がありますけれどね。まぁ、ハワイも似ているところがありますけれども。やはりね、そういうものを活かせるような。それでお年寄りはこの伝統芸能芸術の宝の宝庫であるという視点から、離島にね。しっかりしたベーシックインカムを引き、最低所得補償制度を設けて、年寄りそのものが、この文化の宝であることを言いたいですね。

角谷:はい、ありがとうございます。では翁長さん、お願いします。

翁長:はい。教育こそ沖縄の明日を作っていくものと認識をしております。沖縄は27年間米国の施政権下にあって、日本国憲法の適用もない時期があったんですが、その時には県内で選抜をして、国費制度と言いましてですね、そこで選抜をして全国の国立大学に入っていった方々がいます。この方々がですね、帰ってきて沖縄の復興に大変多大な貢献をしております。それからアメリカの方にもですね、米留といって行った方々がもう帰ってきましたら、沖縄のですね、発展にこの方々も大変なご貢献をいただきましたので、やっぱりひとつは、高いレベルでの切磋琢磨が期待されると思うんですね。ただ私も那覇市の育英会の理事長をずっと10年間してきたわけですが、貸与型の奨学金はですね、卒業して返すことがなかなか難しいという時代になってきましたので、これを給付型奨学金にすると。あるいはまた、県立中高のですね、一貫教育等の制度によってですね、その人材の高みに持っていくというようなことをしたいと思います。ちょっとそれとはまた違うんですけれども、教育格差は絶対にあってはならないということで、この基本的な認識に基づいてですね、生活保護世帯の無料塾。これは那覇市も3、4年前から始めて大変な成果があがってます。高校受験が70%くらいからですね、受験ならば入るのがですね、それが90%くらいまで上がっていきましたので、いま国の補助が打ち切られるという話がありますけれども、お金が打ち切られても県でですね、支援をしていきたいと思っております。それから、この私が、これも那覇市長時代のことでありますけれども、共同の町づくりということで、学校の退職者の方々にお願いをして、30~40名ぐらいのグループを作ってですね、この方々が、学校の現場に行って、1年生2年生の、教室の中を走り回って、大声出す人、廊下に1人2人やって、ちゃぶ台でですね、教育をして、教室に返すというですね、いわゆるボランティア、あるいはNPO。そういった中での仕組みづくりなども、やっていきたいと思っております。

角谷:はい、ありがとうございました。各候補者が教育の問題に極めて積極的だということは同時に、下地さんの指摘のようにですね、教育の無料化、つまり経済力と教育が非常にイコールになってしまうと、貧困による教育が受けられない環境というのが起こり得るんだということで、各候補一生懸命この問題については取り組んでいるのがよくわかります。もう一方ですね、仲井真さんが指摘されたようにですね、中高一貫校の問題、これもこれからの大きなテーマだと思います。というのは、例えば有人離島の中には中学校までしか無くて、高校はどうしても本島に来なければならないという現実があるのが良く皆さんご存知で。ご覧の皆さんは、実は沖縄県には「15の春」と言って、離島で中学校を卒業すると、本島に高校に入らなければならないという現実があります。つまり、高校を簡単に決めることができないという環境があります。場合によっては、下宿に入るとかそれから、お母さんと共に沖縄に引っ越さなきゃいけないという問題があって、極めて経済的にも大きな負担が家族に強いられるという問題があって、この問題、実は沖縄県の特徴的な教育問題と経済問題は、リンクしているということで、皆さんこの問題に極めて注力されたということは、わかっていただきたいと思います。この問題もですね、教育問題というだけじゃなくて、教育がみんなに受けられて、そしてその教育が世界に羽ばたく、または日本の中の海外への入り口である沖縄が、国際社会の入口になるんだという、若い人たちの思いをどうやってつないでいくかという候補者の声になっていたんだというふうに思いたいと思っております。この教育問題も含めてですね、いろいろなテーマを短い時間で駆け足に候補者に話をしていただきました。

◆最後にひとこと

角谷:そろそろこの討論会も時間になります。現在この番組をご覧になっている方は、1万6000人あまりです。全国から見ていただいているでしょうし、場合によっては県内、または県内の離島から視聴してくださっている方も多いかと思います。そういった意味では、選挙戦まっただ中、もう終盤戦でですね、追い込みの期間にこの4人がここで並んでいただくということは本当にありがたかったと思います。この場を借りて、あらためて御礼を申し上げると共にですね、最後に候補者みなさんひとりずつからですね、公約の一歩先を描く沖縄像というのを、提言として。これは、選挙の公約とかというものとは違ってですね、みなさんの思うこれからの沖縄というのを一言ずついただいて、番組を終わりたいと思っております。

下地:私は先ほど申し上げた教育、子どもにものすごく視点をあてて沖縄像を作りたいと。この前ドバイに行って新しい街を見てきたんですが、凄かったんですよね。すごかったあの姿を見て、普天間の再開発やキンザーの再開発を下地幹郎がやったらあれだけのことができるかなと思ったら、ちょっとまた新都心と同じものを作るんじゃないかと自分で思い込むくらい。だから、私のやる仕事はとにかく子どもを育てて、子どもがですね、とにかく海外にもよく行って、勉強をしてという公平に全部受けられるような仕組みを作って。彼らに次を任せたら、間違いなく世界一の沖縄をつくれるという、そういう子どもにエネルギーをかけて素地をつくるのが、私の仕事かなというふうに思っています。私は53歳ですからつなぎの仕事だとおもうんですね。だから、いまの私が一丁目一番地で言っている貧困問題ですけと、なんでこんなにしつこく言うか、なんで無料化を、教育の無料化かを言うかというと、やっぱり次の沖縄を背負う人たちが、絶対に力強いものになっていかないといけない。このことをぜひやらさせていただきたいのが1点あります。2つ目はやっぱり、もう過去の問題を解決する。これが大事です。沖縄の問題はとにかく基地問題を含めて、とにかくもう対立してきた。私の考えでは、これじゃダメみたいな感じになってきたんですけど、やはりどこかでこのジャッジだったらもういいよな、というそういうルールを作っとかないと、沖縄はいつまでも……オール沖縄という言葉が架空のものになり下がってしまう。だから私はオール沖縄をやるとなると、どのジャッジならばオール沖縄になるのかというルールをね、次の世代に示しておくことが大事だ。だから、スコットランドが今回住民投票がやったように、スペインがやろうとしているように、結局独立するときは必ず戦争によって独立やってきたけど、いまはもう彼らは「そうじゃない」と。政治家に引っ張られて主張ばかりやってたら、最後はこういう平和が壊れるようなかたちになるので、どうしても自分たちでジャッジをして戦争をしないような国をつくりたいという。これを見習うべきだと思ってますから。私は次の世代に、もめて、もめて、もめまくったら、こういうジャッジの仕方をしたら県民がオール沖縄になるよという、それが県民投票だと言うことを今回示したいというふうに思っています。私の考え方というのは、とにかく未来に向かってですね、未来に向かって絶えず子どもを育てる。そして必ず何かトラブルがこの県に起こる。起こった時は、県民が分かれないようにしてどのジャッジをやるかという。このような対処療法を今の段階で示す政治をやっておくことが下地幹郎にとって大事かなというふうに思っております。これから政治が大きく動いていきますから、その発信力のある政治、日本政府に対してもワシントンに対してもとにかく強くものが言える、そういうような政治家を目指して私は頑張って行きたいというふうに思います。

角谷:では、喜納さんお願いします。

喜納:沖縄の政治家の特徴というのは、公約を破る名人なんですね。自民党の国会議員5名が、ね。辺野古は反対と言いながら、あの石破幹事長が出てね、頭を下げさせられたというね。元幹事長ね。それから県議を含めて、ね、あのような醜態をさらけ出すという。まぁ、知事もある意味で陥落をしてしまったという。私はそういう意味では、沖縄のこの政治家たちがケビン・メアの言葉ではないんですけど、大きな社会で恥を晒してしまったという。もし、そのまま今のように、その百条委員会、百条委員会というのがあって、その中では、両論併記されているんですね。ね? そのオール沖縄という人たちが実際は辺野古案を誤りであると言っている。それもハッキリさせきれないという。そういう構造でもし仮に辺野古が作られてしまったら、これはね、確か島津が沖縄を侵略してもう400年あまりもなっているんですけどね、このままいくと、この讒奏な感情が吹き出した時には、あのスコットランド、あるいはイタリア・スペインで起きている、先進国であろうがEUであろうが独立運動がおきてきているという。果たして、この400年間の善隣友好とは何だったか。沖縄とこのヤマトが不幸な歴史を背負うことになるか、私は非常にそれを危惧しているんですね。だから、この辺野古問題に対してはどんなことがあっても、嘘がない選挙にして欲しい、という。まさに今は土木選挙であると言う。仲井真さんに関しては國場組、翁長さんに関しては金秀、下地さんには大米。いつのまにかこの辺野古の問題がすっかり土木選挙になってしまっている選挙。私は決して土木を反対しているって意味ではないですよ。本来ならば、この3つの、ナンバーワン、ナンバーツー、ナンバースリーが協力していって、中央の、このゼネコンにコントロールされないようなひとつのシステムをつくるべきであるはずなんだ。米軍の基地も、受けるのだって、ボンドが足りないから、結局は中央のゼネコンの下請けの孫請けの孫孫請けになっているという。こういうもう愚かなね、私は県民政策、この二重行政というものを取っ払いながら沖縄が自立できるんだ、と。沖縄が自立することが日本の日米安保という、ストーカー、アメリカのストーカーから卒業できるという。私はね、本当に日米安保は日米平和条約に切り替えていくぐらいの心持ちを持ってほしい。

角谷:翁長さんお願いします。

翁長:私は3点話をさせていただきたいのですが、まずは0.6%の面積にですね、74%の米軍専用施設があるというのは、これは日本の国という形での民主主義国家としての在り方がどうなのかと、こういうものを提起をさせていただきたいと思います。やはり日本の安全保障、私も保守でありますので、日米安保条約というのはよく理解をしていますけれども、いくらなんでも1県の0.6%のところに74%、それも戦後70年、あるいはこれから50年100年置こうとするということは、私は日本国の民主主義国家の在り方としてですね、アジアのリーダーとしてこれから頑張っていく、そういう中では大変不名誉なことになるのではないのかなと、このように思っています。抑止力という意味でも、1県にすべて置くよりも、日本国民全体で役割分担したほうが、おそらく仮想敵国といわれる人も日本の本気度がわかってくるのではないかなと思っております。そして、基地は沖縄経済の最大の障害要因だということを先ほど申し上げました。やはり今日沖縄経済が大変、県民の努力と、それからまた国の方でも、色々の4次にわたる振興計画もろもろの合作によりまして、大変発展をしてまいりました。そして世界を見ますと、アジアのダイナミズムがですね、経済発展して、沖縄を覆ってくるようになる。日本の辺境、アジアの辺境だったこの沖縄がですね、アジアの中心、それから日本とアジアを経済的にも平和的にもつなぐような、こういったような役割、懸け橋ができるようになってまいりました。私はこれも、先ほども申し上げましたが、沖縄のソフトパワー、いわゆる自然歴史伝統文化、琉球王朝時代の万国津梁の精神、これはアジアと沖縄、いろんなところと懸け橋になって、それぞれの国々の文化を取り入れて、そして首里城やら、今帰仁城跡やら、空手やら、組踊やら、唄三線やらもですね、皆できてくるようになりました。そういったソフトパワーがですね、沖縄のこれからの経済の発展、アジアとの連動をしていくと思っております。それそのものが、私たちのご先祖様が大変苦労に苦労を重ねて、何百年来で今私たちに伝えてありますので、こういった素晴らしいものがこれから飛躍することを考えると、沖縄の子や孫の人たちが、こういった私たちの持っている素晴らしい歴史伝統文化に誇りをもって、自信をもって、そして自分自身の大きな志を、むしろアジア、世界、そして日本の懸け橋となって、いろんな形で解決していく、こういうものを残すのが私たち沖縄の政治の責任世代の役割だと思っておりますので、ぜひそういうふうにしていきたいと思っております。

角谷:では、仲井真さんお願いします。

仲井真:これは一番最後。

角谷:はいそうです。

仲井真:今のその、なんと言いますか、沖縄の人が昔から持っている、万国津梁という言葉、今、翁長さんも話をしておりましたが、そういう考えというのは、結構いろんな人の頭にあります。で、架け橋となろうということで。それで世界を相手にわれわれは活躍していこう、そしてこれまでの長い歴史のなかで難しい時代を乗り越えてきて、さらに文化・芸能・伝統・空手というような、伝統的なものも生み出してきた。これを誇りにしている。ここの誇りをきちっと持って、われわれは生活をしてきたつもりだし、これからもそうであろう、こう思うわけです。ですからその一方でまた沖縄がですね、今われわれが持っている21世紀ビジョンの骨格のなかには、人口を今のところピークが148万人。10年後くらいにはそうなるだろうと。それからあと下がっていく可能性がある。減少する。そうじゃなくて、200万人近くまで増やそう、ということと、健康長寿日本一をもう一度取り戻そう。この二つの大きなレールが基本になっているわけですね。日本一の健康長寿県、そしてやっぱり人口を絶えず維持しながら増加させながら暮らしていく。そういう大きなレールを2つ挟んでわれわれはいろんな施策を展開しています。そういうなかに非常に国際的な部分が最近出てきております。特にOIST(沖縄科学技術大学院大学)というような国際科学技術大学院大学、これからいろんな成果が出るはずです。そしてまた国際的なリゾート、国際観光リゾート地区などというようなもの。そしてまた、国際的な物流特区、そういうような、国際的なサイズや規模は頭に描いて展開している産業の躍動する部分があります。これがいよいよ良いかたちを持ってくるだろうと。そして一方でわれわれがもっとも得意とする文化・芸能・スポーツ・空手といわれているんだから、このスポーツもですね、総合格闘技。それからモーターサーキット、これをしっかりとわれわれも支援していこうという新しいスポーツ観も出てきております。こういうものをぜひこの日本の、日本のこれからの大躍進のエンジンとして沖縄がなりうるのではないかということすらわれわれちょっと考えております。そういうそのベースが今でき始めております。ですからぜひですね、こういう切り口からも沖縄を理解していただきたい。このように考えております。

角谷:ありがとうございました。本日はご登壇のみなさん、本当にお忙しい中、もう選挙戦のさなか、集まっていただいてありがとうございました。ユーザーのみなさんもご視聴ありがとうございました。ニコニコ動画ではこのあと、選挙戦最終日には各候補のネット最後の訴えも生放送する予定でございます。各候補が土曜日の夜8時すぎになりますけれども、最後の訴えをネット上で行います。沖縄県知事選挙2014特設ページに出ておりますのでこちらを見ていただければと思います。そんなわけで、この沖縄県知事選挙候補者ネット討論をここで終了とさせていただきます。どうもみなさんありがとうございました。

著者プロフィール

ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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