地方自治体は国の下部組織である
憲法92条には、地方自治の組織・運営については「国が法律で定める」旨が明記されている。さらに94条には、地方自治体は、自らの財産管理、事務処理、行政執行の権能を有するが、その根拠となる条例は「国が定める法律の範囲内で」制定できる旨が明記されている。
わが国の地方自治体は日本国という単一国家の行政の下部組織である
このように、わが国の地方自治体は、他国に例があるような「自治体連合国家」における統治の主体ではなく、あくまでも、日本国という単一国家(統治の主体)の行政の下部組織である。
だからこそ、地方議員の多くは国会議員の秘書経験者で自らも国会議員を目指していることが多い。
政治は私たちの幸福を増進するためにある
政治の目的は国民の幸福を増進することにあり、幸福の条件は自由、豊かさ、平和であろう。
国家が私たちに配分できる利益(例えば福祉の財源)には限りがあり、国家共同体を維持するために不可避な負担(例えば税金や治安維持に対する協力義務)もあり、権力を用いて調整するのが国家(つまり国会議員集団)の仕事である。そうして、国会で決められた大枠(法律と予算)の中で地方の実情に合わせた微調整(条例と予算の決定)を行うのが地方自治体(つまり地方議員集団と首長)の仕事である。
だから、私たちを幸福にも不幸にもさせ得る決定的な方向付けをする権限は、憲法上、国に属している。例えば、特定秘密保護法を制定して国民の知る自由を制約する根拠を作る権限は国のものであり地方自治体のものではない。消費税の税率を引き上げて国民の財産を奪う大きな権限を持っているのは国家である。さらに、海外派兵の方針を立てて戦争と平和の問題に決定的な影響力を持っている機関は国であって地方自治体ではない。
国政の評価に従って地方選挙でも投票する
だから私は、国政に係わっている各党に対する評価に従って、それぞれの系列下にある地方政治家に対する投票を決定することにしている。
今、地方選挙の最中に国会議員たちはそれぞれ系列下の地方議員と首長の応援に送り回っているが、逆に、国政選挙の際にはその地方政治家たちが国政選挙を支えている。だから、両者に対する評価は原則として同じでよい。