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特集「参院選2019――私たちの理由」を開始します

  • 津田大介 (ポリタス編集長)
  • 2019年7月16日

ポリタス特集「参院選2019――私たちの理由」を開始します。

7月21日に投開票が行われる第25回参議院議員通常選挙が公示され、現在激しい選挙戦が繰り広げられています。

衆参ダブル選挙の可能性が取り沙汰されるなか、国会は予算委員会が衆議院で100日以上開催されない。今回の参院選は、そのような異例の状況下で行われることになります。

閉会間近には、金融庁金融審議会の「老後に2千万円が必要」とする報告書をめぐって、諮問したはずの麻生金融相が報告書を受け取らないという「珍事」も起こりました。ダブル選挙がなくなり、選挙後に与党が3分の2を確保するかということが焦点となった今回の参院選ですが、党首討論では主に消費増税のありかた、憲法改正、年金問題が取り上げられています。

他方で、7月3日に開催された記者クラブ主催の党首討論会では、選択的夫婦別姓を認めるか否かの質問に対して安倍首相だけが挙手しない(公明党の山口代表は挙手)ことも話題を集めました。今回は2018年5月の「政治分野における男女共同参画推進法(日本版パリテ法)」施行後初の国政選挙ということもあり、女性やジェンダーを巡る政策を掲げ、女性候補者を増やす政党も目立っています。国政選挙で本格的にダイバーシティ推進政策が議論されるようになったのが、今回の参院選であると位置づけることもできるでしょう。

今年1月には厚生労働省が発表する「毎月勤労統計」で長年、不適切な抽出が行われていたことが明らかになり、失業保険の過少給付やGDP統計の改定、日本の経済統計への信頼性毀損といった事態を招きました。昨年発覚した役所の公文書改竄に引き続き、官僚の不祥事が止まりません。改めて政治と役所のガバナンスが問われています。

国民の政治離れが進む中、有権者は何を基準に投票すればいいのか。立憲民主から、国民民主、共産、社民、れいわ新選組など、1つにまとまれないリベラル勢力の今後はどうなるのか。

最新の情勢調査では自公で改選過半数63議席超は確保できる見通しという報道が複数あるものの、改憲勢力で3分の2を維持できるかどうかは微妙な情勢になっているようです。

女性議員の割合が今回の参院選でどれだけ増えるか(そしてそれによって永田町がどのように変わっていくのか)といったこともポイントになってくるでしょう。

憲法改正、消費増税、年金問題、女性議員増加、選択的夫婦別姓、統計不正……私たちはどのような理由で投票先を選べばいいのか。「理由」を探す有権者のために、有用な記事をたくさん集めました。ぜひ投票のご参考にしていただければ幸いです。

著者プロフィール

津田大介
つだ・だいすけ

ポリタス編集長

ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。早稲田大学文学学術院教授。大阪経済大学情報社会学部客員教授。テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス+」キャスター。J-WAVE「JAM THE WORLD」ニュース・スーパーバイザー。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。 世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2013」選出。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)、『未来型サバイバル音楽論』(中公新書ラクレ)、『「ポスト真実」の時代』(祥伝社)ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。

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